展覧会/イベント

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LIXILギャラリーでは2020年4月2日(木)~2020年6月16日(火)の期間、「德澤守俊展-白と黒の融合-」を開催します。
德澤守俊氏は、学業を修めた後に、唐津焼の人間国宝十二代中里太郎右衛門(無庵)氏の元で学び、白と黒の釉薬で装飾する「朝鮮唐津」に挑みます。伝統を学びながら、二つの釉薬の流れを最大限に活かすフォルムを追求し、2007年の第五十四回日本伝統工芸展で「文部科学大臣賞」を受賞します。その後も、釉薬の流れと焼締めた肌の「土色」の対比を表現した新しい「朝鮮唐津」を発表し観る者を魅了しています。本展では、德澤氏の造形と釉薬の美学が顕われた代表作8点を展示いたします。

德澤守俊展―白と黒の融合
徳澤守俊さんは、学業を修めた後に、人間国宝の十二代中里太郎右衛門(無庵)氏の内弟子になりました。当時、無庵氏が古唐津復興に取り組んでいたので、共に古窯跡を歩き、粘土を探し、陶片から技法や造形を学びました。徳澤さんの言葉を借りれば、「古窯を歩き、身も心も唐津焼でいっぱいに満たし、その中で独自の作風を表現する事に精を出してきた」修行時代の日々です。
唐津焼は、造形もさることながら、土味、焼味が作品の美しさを決定します。だから、使えば使うほど肌味がよくなり、魅力を増します。唐津を離れると、その原土が入手出来なくなりますが、幸い福岡空港の近くに古墳時代に須恵器を焼いていた須恵という地を見つけました。ここは、江戸時代には黒田藩の御用窯として須恵焼があった窯業地で、この由緒ある土地に割竹式の登り窯を築いて独立開窯し、「朝鮮唐津」に挑戦します。唐津焼は、奥高麗・絵唐津・朝鮮唐津・斑唐津・三島唐津・無地唐津等々多種多様です。その中から朝鮮唐津を選んだ理由について、徳澤さんは「唐津陶は一見単純に見えますが土も釉薬も多様な焼物です。その中で造り手の思うに任せぬ朝鮮唐津を選んだのは、やはり釉調の美しさです。永年挑んでいても、いつも焼き上がりは『心が躍る』『沈む』の繰り返しです。絵や彫りは手のあとがそのとおりに表現されます。しかし、朝鮮唐津は絵の具の色にはない不思議な自然の彩りが生まれます。」と語っています。
2007年、第54回日本伝統工芸展で「朝鮮唐津水指」が文部科学大臣賞を受賞し、「文化庁買上げ」となりました。大きな算盤の玉のようなフォルムに、白い藁灰釉の流れがオーロラのように口周りに広がる、フォルムと釉薬の流れが見事に融合した作品です。徳澤さんの朝鮮唐津は、黒の鉄釉と白の藁灰釉が溶け合って出来る釉薬の景色が見どころです。しかし、二つの釉薬の融点が100度ほど違うので、調合や焼成が難しいといわれています。徳澤さんは「時に瀧の光を受けた瀑布の如く」「時に凍夜のオーロラの如く」景色を求め、朝鮮唐津の釉薬の流れを最大限に活かしたフォルムを追求します。徳澤さんの特徴は、それだけではありません。唐津の魅力である「土味」を表現するため考案したのが、備前焼からヒントを得た「焼締め」の技法です。2010年には、焼締めで緋色を出した肌に朝鮮唐津の釉を掛けて大胆に面取りした「焼締朝鮮唐津雫花器」で、第3回智美術館大賞展「現代の茶-造形の自由」優秀賞を受賞しました。釉薬で全体を覆うのではなく、掛け残しの部分を見せることで、朝鮮唐津の新しい魅力を引き出しました。そこには、伝統に学びながら、前人未踏の朝鮮唐津に挑戦する徳澤美学があります。今展には、造形と釉薬による徳澤美学を代表する8作品が展示されます。                   

森 孝 一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)

  • 「朝鮮唐津花器」 H450×直径370mm
  • 「朝鮮唐津花器」 H450×直径370mm
会期 2020年4月2日(木)~6月16日(火)
休館日 水曜日、2020年5月24日(日)
開館時間 10:00~18:00
企画制作 株式会社LIXIL
入場料 無料

作家略歴

1943 京都市で生まれる
1967 唐津焼人間国宝、十二代中里太郎右衛門(無庵)先生に師事
1972 福岡県粕屋郡須恵町にて築窯、独立
1974 日本橋三越にて初個展、以後各地にて個展
1977 日本伝統工芸展初入選、以後28回入選
1983 日本工芸会正会員となる
2005 佐賀県立有田窯業大学校 非常勤講師
2007 第54回日本伝統工芸展
文部科学大臣賞受賞 文化庁買い上げ
2009 第20回日本陶芸展招待出品
2010 第3回智美術館大賞展「現代の茶―造形の自由」優秀賞受賞
2012 第44回伝統工芸陶芸部会展 日本工芸会賞受賞
2015 第32回田部美術館大賞 茶の湯の造形展 奨励賞受賞
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