アジアの人々の生活の全域に深く浸透する竹は、とくにわが国では数寄屋や茶室建築の補助材として効果的に用いられている。その材質と美学を多角的に追求する。
■目次
竹と文化──照葉樹林圏と重なって 中尾佐助
脇役が光る──木造建築における竹 中村昌生
[写真構成]聴竹譜
箱木邸/旧伊藤家/旧北村家/四国の民家/水無瀬神宮燈心亭/桂離宮月波楼/有楽苑元庵/有楽苑如庵/成巽閣清香軒/一力亭/瓢亭/山翠楼/美濃幸/堀内邸秀嶺軒/対龍山荘聚遠亭/桃李境/清流亭/筱園庵/金澤邸/中里/薮内家燕庵/聖ヨハネ教会堂/旧日向別邸/聴竹居
竹の意匠──中国的なものへの連想と言及 横山正
建築的風景としての竹──京の町並みにみる 日向進
[座談会]竹──このたおやかな材を相手に 御池寅男×川崎幸次郎×安井清×中村昌生
建築素材としての竹──林学からみる 内村悦三
[図版構成]竹の家──日本と東南アジア 川島宙次
竹筋コンクリートを追う
寿命で圧倒──金釘に勝る「竹釘」
家具に炭化竹を接ぐ──別府に生まれた異種交配
風流"竹並木"──広島県竹原市の試み
中国の竹がスイスにそびえた──フェノメナ展「バンブー・タワー」
一服、以上の清涼剤──ニューヨーク・IBMビルの竹林プラザ
[図版構成]日本の竹細工 工藤員功