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建築の四層構造<br>──サステイナブル・デザインをめぐる思考

10+1series

建築の四層構造
──サステイナブル・デザインをめぐる思考

本体価格 2,200円
体裁 B6判変型・上製・360頁
ISBN
978-4-87275-154-3

2009年03月発行

現代の住宅デザインにおいて解決しなければならない問題はなにか?
建築家・難波和彦が、サステイナビリティ(持続可能性)をキーワードとしながら、建築の現在への批評と未来への理論を構築する。雑誌『10+1』での連載テキストなどに書下ろしを加え、「アルミエコハウス」「箱の家」や「MUJI+INFILL 木の家」など、難波の最新の実践までが自身によって検証される。
また、難波の思考の原点となる1980年代に書かれた6つの論考(現在入手困難な『建築的無意識』(住まいの図書出版局)収録)も再録。本書は難波和彦の思考と実践の軌跡をたどる決定版であり、これから取り組むべき問題点が見えてくる、最新の建築デザイン論集である。


■目次

はじめに

第1部 現代住宅の諸問題

「実験住宅アルミエコハウス」|ポリティカル・コレクトネス|テクノロジーの変容|形の自律性|家族とライフスタイル|都心居住と職住近接|時間=歴史の問題

第2部 建築的無意識

1 『エイリアン』と『タイムレス』
ボストンでの出会い|『エイリアン』|テクノロジーと身体感覚|『タイムレス』|パタンと普遍の問題

2 ハイテック・マトリクス
テクノロジーと建築を結ぶ回路|生産技術の回路|設計・計画技術の回路|生活環境の回路|テクノロジー/機能/イメージ

3 機械としての建築
モダニズムにおける建築=機械|建築=機械の多層構造|建築=機械の現代的様相

4 建築的無意識

5 無重力についての思考実験

6 機能主義・再考

第3部 サステイナブル・デザイン論

1 建築の四層構造
サステイナブル・デザインの理論|近代建築の四要素|図式としての四層構造|層の理論

2 モデュールの現在
寸法とモデュール|近代建築とモデュール|ル・コルビュジエのモデュロール|戦後モダニズムとモデュール|モデュールと自由|モデュールの未来

3 クリストファー・アレグザンダー再考
『形の合成に関するノート』|「都市はツリーではない」|『パタン・ランゲージ』と『タイムレス』|《盈進学園東野高校キャンパス》の実践|『The Nature of Order』

4 建築的無意識・再論
機能主義から建築記号論へ|記号論から建築的無意識へ|意識から無意識へ|形から機能へ

5 技術と歴史
二つの技術|一九世紀における技術と美学の相剋|モダニズムにおける技術と美学の統合|バックミンスター・フラーのシナジェティックス|遊戯的技術と歴史

第4部 「アルミエコハウス」と「箱の家」の実践

1 アルミエコハウスの開発と実験
近代建築のなかのアルミニウム|「実験住宅アルミエコハウス」のプログラム|実施設計の展開|居住実験と解体実験|アルミ建築の可能性

2 「箱の家」の展開
第1節 コンセプト
「箱の家」の快適性|《箱の家001》の四層構造|「箱の家シリーズ」のコンセプト
第2節 ヴァリエーション
多様な展開1──在来木造シリーズ、鉄骨造シリーズ
建築家とクライアントの関係1──『BRUTUS』の「約束建築」
建築家とクライアントの関係2──「MUJI+INFILL 木の家」
多様な展開2──集成材造シリーズ|「箱の家」の室内環境|「箱の家」の課題

あとがき


■関連記事



[特集]設計思想の現在
http://10plus1.jp/monthly/2009/04/


クロスブックレビュー:建築と都市──1970年、1995年という転換点を超えて
難波和彦(建築家)×藤村龍至(建築家)

「サスティナブル・デザイン+建築の四層構造」と「批判的工学主義+超線形設計プロセス」を「アルゴリズミック・デザイン+進化的設計プロセス」の視点からとらえる試み
松川昌平(建築家)

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