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海藻<br>──海の森のふしぎ

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海藻
──海の森のふしぎ

本体価格 1,800円
体裁 A4判変型・並製・76頁
ISBN
978-4-86480-505-6

2013年06月発行

海に育つ草・海藻。すぐに連想するのは、昆布やワカメ、海苔などの食料ではないだろうか。実はそれだけに留まらない、海における色彩豊かで不思議な形を持つ多彩な植物なのだ。海藻は地球の創世記を思わせる海の森をつくり、海中生物の生活環境をつくりだしてきた。本書では、あまり知られていない植物としての海藻に注目し、美しく、多様で多彩なその魅力を紹介する。
巻頭を飾るのは、あまりにも美しい海藻の色彩と造形のグラビアだ。海藻おしば作家・野田三千代氏の作品を中心に写真家・塚田直寛氏が見事に海藻の透明感やテクスチャーの面白さを撮りおろす。
ようやく進化や分類、色彩の謎や役割についての基礎知識で海藻の実体が明かされると、今度はさまざまな海藻が生い茂る日本の海中林の風景へ誘う。水中写真家・鍵井靖章氏による幻想的な写真からは、生き物の隠れ場や稚魚のゆりかごとなる豊かな藻場の姿が伝わる。
後半ではこれまでの日本の海藻研究に大きな影響を与えた岡村金太郎による貴重な直筆の図譜を、さらに世界各国の関係機関に配布する目的で制作された学術標本の図版も紹介し、現役の研究者が詳細な解説を加える。


■目次

[写真]撮影=塚田直寛 海藻おしば=野田三千代

Ⅰ 海藻のデザイン 
フォトインデックス
海藻の基礎知識
海藻の色と光合成の謎 横浜康継
海の森へ 鍵井靖章

Ⅱ 日本の海藻研究
岡村金太郎の植物画 吉田忠生
日本藻類図譜 解説=北山太樹
日本の海藻学──黎明期の研究者たち 北山太樹
越境する海藻標本──瀬戸内海海産藻類標本集
記録・伝承から見た藻場と磯焼け 藤田大介
海の森の主役、ジャイアントケルプのたどった道 川井浩史

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