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山と森の精霊<br>──高千穂・椎葉・米良の神楽

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山と森の精霊
──高千穂・椎葉・米良の神楽

本体価格 1,800円
体裁 A4判変型・並製・80頁
ISBN
978-4-86480-502-5

2012年09月発行

宮崎には300を超える神楽がある。その中から特に神楽の宝庫といわれる高千穂、椎葉、米良の3つの地域の神楽を取り上げる。これらの地域は九州脊梁山地の山深い秘境の地であるため、神楽や山の神々と暮らす生活形態が集落ごとに古い形を保ったまま残されている。各集落の神楽は、天照大御神が天の岩戸にお隠れになったという日向神話をもとに、それぞれの土地神や歴史が絡み合い、個性豊かな物語を描き出す。
本書では、まず20年以上にわたって宮崎の神楽を調査・研究している高見乾司氏の解説とともに、3地域の神楽の特徴を臨場感溢れる図版で展開。年に一度降臨する神々と村人たちが「夜神楽」として一晩中舞い遊び交歓する様子が描かれる。さらに神に扮する際に纏う仮面を、九州民俗仮面美術館のコレクションから40点を厳選し紹介する。「南の国の王」「土地の神々」「古代史の英雄たち」など多彩で迫力ある造形美が鑑賞できる。論考では、仮面考ほか、神楽の中で生き続けてきた神々の姿について、また全国の神楽を行脚した著者による宮崎の神楽の特徴について考察する。最後に11名へのインタビューを通して、神楽を次世代へと伝える人々の思いを紹介する。


■目次

神楽とは
神楽伝承集落地図

高千穂神楽──神々が降臨する日
椎葉神楽──精霊たちの森へ
米良の神楽──南北朝の残光と山人の秘儀

神楽に登場する仮面神
──高千穂/米良/椎葉

[写真構成]仮面──神々の造形 高見乾司
南の国の王/土地の神々/古代史の英雄たち/祖先神/女面/道化神
仮面考 高見乾司

「ふゆまつり」の神々 中沢新一
神楽──自然と人間の交流のドラマ 鈴木正崇
神楽を伝承する人々 編集部

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