建築はいつの時代も「建築家」と「クライアント」と「社会」の関係のうえに成り立ちますが、21世紀の建築は特に「社会」の比重が大きいと言われます。建築は社会がつくる。
建築は、応答せざるをえない他者からの直接的な要求だけではなく、間接的あるいは無意識的なレベルの条件に規定されていると坂牛は考え、現在に至る歴史を、人間に内在する問題系──「男女性」「視覚性」「主体性」「倫理性」──と、人間に外在する問題系──「消費性」「階級性」「グローバリゼーション」「アート」「ソーシャル」──から成る9つのテーマについて分析的に思考します。
また、社会的枠組み(ハビトゥス)をどのように「違反」して次の建築を生み出すか、建築家・坂本一成氏との対談も収録しています。
■目次
序章 社会が建築をつくる
第1部 人間に内在する問題
第1章 男女性
第2章 視覚性
第3章 主体性
第4章 倫理性
坂本一成との対話Ⅰ
第2部 人間に外在する問題
第5章 消費性
第6章 階級性
第7章 グローバリゼーション
第8章 アート
第9章 ソーシャル
坂本一成との対話Ⅱ
終章 「建築」なきあとの建築