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アゲインスト・リテラシー<br>──グラフィティ文化論

単行本

アゲインスト・リテラシー
──グラフィティ文化論

本体価格 2,700円
体裁 A5判・上製・256頁
ISBN
978-4-86480-014-3

2015年01月発行

いとうせいこう(作家・クリエーター)推薦!
「これはグラフィティ批評、ストリート・アート批評の決定打。いきなり前人未到!」

本書は美術家・大山エンリコイサム初の単著であり、近年発表したグラフィティ文化やストリート・アートに関する論考を大幅に加筆し、書き下ろし原稿を加えた、日本初の本格的なグラフィティ文化論である。
第1章では、バンクシー、ホセ・パルラ、ラメルジーほか8人の作家を個別に論じる。第2章では、20世紀初頭のアメリカからニューヨークを舞台に「落書き」の系譜を探り、100年の歴史のなかでグラフィティ文化を文脈化する。第3章では、舞台を日本に移し、2章で示したグラフィティ文化論の知見から現代日本の諸相を考察する。第4章は、やはり本書前半の議論を参照しつつ、1960年代ニューヨークの美術批評が取り組んだ問題を拡張的に読解し、著者自身の制作についても解説がなされる。
本書は、グラフィティ文化の入門書、批評の書であり、美術家である著者のステートメントでもある。グラフィティ文化と現代美術の接点から導出される「文脈的なリテラシー」(フリード)、「感性的なリテラシー」(ソンタグ)というキーワードを手がかりに、さまざまな文脈やリテラシーによって複雑に編成された現代の文化状況のなかで、硬直する思考に抵抗し、しなやかな感性を発揮するためのガイド。


■目次

プロローグ
ターミノロジー

Ⅰ 作家論
バンクシーズ・リテラシー──監視の視線から見晴らしのよい視野へ
BNE──水の透明なリテラシー
レター・レイサーズ──ラメルジーと武装文字の空気力学
絵画とスピード違反──サイ・トゥオンブリとホセ・パルラ
誘拐と競売──ゼウスと有名性について
スウーンとストリート・アートの「新しいはじまり」
バリー・マッギーの「界面」
Obey Me──横断と支配の論理

Ⅱ 都市と落書きの文化史
[Ⅰ]前史(一八六二─一九六七)
[Ⅱ]グラフィティとプロテストの落書き
[Ⅲ]地下鉄の時代とそれ以降

Ⅲ 現代日本との接点
スタイル化するシミュラークル──グラフィティ文化とオタク文化
日本の視覚文化とライヴ・ペインティング的なもの
匿名性の遠心力──震災から考える

Ⅳ 美術史に照らして
アゲインスト・リテラシー

エピローグ

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