西洋では植民地への移動のため、日本では参勤交代に伴う移動のため、携帯用具は発達した。東西のさまざまな携帯のかたちを収集し、そこに込められた工夫と用の美を見る。
■目次
移動と携帯の形態 柏木博
移動のための箱──古代のチェストからコンテナーまで 宮内悊
ベル・エポックの夢の箱 山田登世子
[図版構成]携帯の携帯──腰に巻く/スタッキングとパーテーション/機能・美・遊び/旅行用化粧箱/グルーミングセット/旅行鞄/万病対策の薬箱/検査と手術/プロの道具箱/製図具と画材/多機能型計算機/東西・大小のバリエーション/江戸の旅道具/喫煙具/救急箱/キット
探検博物学の世紀──収集の携帯道具 西村三郎
西武開拓時代の旅 鶴谷壽
江戸の旅道具 今野信雄
行商の道具たち 神崎宣武
弁当箱──機能と意匠 荒川浩和
[連載]近代を織る道具たち(11)水車──一水車大工の生涯 榧野八束