ジャポニズムとは何か。過去幾度も語られてきたこのテーマに、著者は自らの直感をもとに新たな枠組みを与える。マッキントッシュ、クリムト、ライトなど西洋近代作家の眼を借りながら、建築やデザインの分野で未だ解き明かされないジャポニズムの深層に迫る。
■目次
第1章 知られざるジャポニズム
はじめに
第三の眼、ジャポニズム
新しい空間論
第2章 マッキントッシュ──魔術的な空間
水彩画の謎
空間のゆらぎ──饒舌な寡黙
第三の抽象
幾何学的アニミズム
第3章 アングロ=ジャパニーズのデザイン
ホイッスラーの「ピーコック・ルーム」
ゴドウィンとホイッスラー
クリストファー・ドレッサー
第4章 ウィーンのジャポニズム
図像を超えるもの
装飾の肉体性
平面と空間の混在
第5章 ライトと装飾──ジャポニズムの深層
ディテールに宿るもの
マクロとミクロの見え方
大きな斧と小さな鑿
ジャポニズムの謎
おわりに