標高4000mほどの高地に位置するチベットは、過酷な自然に囲まれ独自の生活様式と宗教文化をつくり出してきた。都市と建築はチベット密教の象徴であり、曼荼羅世界を具現化したものといえる。その建築の構成や多彩な装飾、それらの宗教的意味などをまとめる。
■目次
はじめに
第1章 チベット仏教とは
チベット仏教の特色
チベット仏教略史
第2章 天界の宮殿／聖都ラサの都市構造
パルコル／時計回りに歩く巡礼回廊
ポタラ宮／中空に浮かぶ聖都の象徴
第3章 立体曼荼羅としての建築
サムイェ寺院／須弥山宇宙観を体現した伽藍配置
クンブン／螺旋状に巡拝する曼荼羅空間
第4章 寺院都市／チベット寺院の構成要素
一般寺院と僧院
僧院の選地
第5章 寺院建築の構造
前殿と仏殿
裾広がりのシルエット
チベット寺院建築の彩色
第6章 装飾のシンボリズム
本堂建築のポーチ
装飾金物
おわりに