時に国産材を林業家から直接買い付け、あるいは製材所で地元の木材を吟味し、木のもつ特性と美しさを生かしたローコストの木造住宅をつくり続ける著者。山中、田園地帯、海辺、ニュータウン、それぞれの場所に建てられた自作4棟をわかりやすく解説。
■目次
Ⅰ 冬の日曜日に
4人家族の希望
葉枯らし乾燥の杉材を使い50年はもつ家を
大阪球場の中のモデルハウス
それぞれの「新しい家への夢」
Ⅱ 山に建つ〈遊山荘〉
自然林をそのまま生かして
徳島県木頭村の杉材を使う
家族の集まる暖炉のある吹抜空間
不便さを楽しむ暮らし
"育ってゆく住宅"として
Ⅲ 田んぼに建つ〈庵治の家〉
古くからの集落と稲穂の海
大屋根が家族をすっぽりと
長い玄関土間から広間へ台所へ
家の材は全て近くの吉野杉
囲炉裏のある広間と卓袱台のある茶の間
現代の共同性を住まいで表現
Ⅳ 海辺に建つ〈御浜の家〉
歴史に彩られた紀伊半島の町
台風と湿気との闘いの住まいは美しい集落を形成
依頼主からの手紙
合板より安い無垢の杉材
杉板と鉄平石の温かく涼しげな家
Ⅴ ニュータウンに建つ〈WING COURT〉
道の目印になる"目立つ家"
建物をくぐって庭と玄関へ
73.5度にぶつかった複雑な空間
小屋組もむき出しに
集まって住む新しいスタイル
Ⅵ 木にこだわって
理屈なしに美しい木そのもの
安らげる住宅をつくりたい
林業家、大工さんと対話をしながら
妥協せず、低コストでも本物の住宅を
木は唯一再生可能な材料