しずく、流れ、波、渦、......絶え間ない百変化。
生命の源である水。それは「湯水のごとく」ふんだんにあるゆえに、その存在を気にとめることはあまりありません。しかし、小川をちょろちょろ流れる水やしとしと降る雨、不思議な形を描く噴水や水流で回転する水車など、ふとした瞬間に、水のすがたにふれ、その音や美しさに感動や驚きを覚えることがしばしばあります。
いつも目にしているはずの水が、ふとした瞬間にみせる、ちょっと違うかたちと、その動き。本書では水のすがたの成り立ちから、しずくをとらえるべく、自然界でみられる波や霧や滝、人の手でつくられた水車や噴水、ダムなど、さまざまな水を見ながら、その姿をとらえます。
■目次
水のすがたの成り立ち 小塩哲朗
しずくをつかまえる 間々田和彦
「水の流れをつくる」プロに聞く 梅田学/宮澤千顕
水を見に行く 小塩哲朗/編集部
水の豊かな表現に挑んだ日本絵画の巨匠──光琳と北斎 内藤正人
清め、しぶきで盛り上げ、生き返らせる水 新谷尚紀