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現代建築家コンセプト・シリーズ3<br>乾久美子|そっと建築をおいてみると

現代建築家コンセプト・シリーズ

現代建築家コンセプト・シリーズ3
乾久美子|そっと建築をおいてみると

本体価格 1,800円
体裁 A5判・並製・160頁
Japanese/English
ISBN
978-4-86480-309-0

2008年09月発行

乾久美子は青木淳建築計画事務所を経て、2000年に乾久美子建築設計事務所を設立。《Louis Vuitton Taipei Building》や《Dior Ginza》などの店舗のファサードデザインによって一躍注目を浴び、その後もインテリアやモニュメントの設計を手がけ、2008年には初の住宅作品《アパートメントI》にて第24回新建築賞を受賞、着実にキャリアを積み重ねている。その設計手法は、規律やしきたりに満ちた慣習的な身体感覚への批評的/懐疑的なまなざしを携えており、常に高い評価を得ている。
全15章で構成される本書は、写真/図面/テキストによって主要作品を解説。合計50,000字を超える作品解説はすべて建築家本人による書き下ろしで、自らの作品を徹底的に語り尽くす。また巻末には、乾久美子論を2本収録。論者は国際的に活躍する建築家・西沢立衛氏、《BUILDING K》にてデビューを果たしたばかりの藤村龍至氏。
「建築をつくるのではなく、おくこと」、「表現するのではなく表情をデザインすること」。読者は、本書を通じて新たな乾久美子に出会うだろう。それは一貫して乾がもとめ続ける「日常に潜む世界のみえない秩序への気づき」、その追体験である。日英バイリンガル。


■目次

ウサギをめぐる秩序の話──イントロダクション
神経質でない場所──片岡台幼稚園の改装
人と建築がデリケートに関係する──御殿場のアウトレットブティック・ヨーガンレール丸の内・ヨーガンレール心斎橋
「聴く」というような処方箋──Louis Vuiton Taipei Building
解像度の問題、建築の表情──Dior Ginza
そこにある風景を肯定する方法──新八代駅前のモニュメント
アートのための場の「自然」さ──アートセンターのコンペティション案
意味が反転、その連続──地下鉄駅のコンペティション案
計画のコントロールの中途半端──アパートメントI
実感としての一様、林──ハウスK
関係の重層性、家族、空間──ハウスT
風景の編集──スモールハウスH
未完成な室内──フラワーショップH
オフィス空間の再検討──ビルディングK
そっと建築をおいてみると──展示空間のためのコンテクストのスタディとエピローグ

「ウサギ事件」と「ギンガムチェック」をつなぐもの──乾久美子の「テキスト」が示す、一貫した「姿勢」について 藤村龍至
乾さんについて 西沢立衛


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http://10plus1.jp/monthly/2008/11/26123245.php

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