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20世紀建築研究

TenPlusOne

20世紀建築研究

本体価格 3,200円
体裁 236×168㎜・並製・464頁
ISBN
978-4-87275-084-3

1998年10月発行

テクノロジー、身体、住宅、リージョナリズムなど、21の系で辿る20世紀建築の批評的事典。

編=20世紀建築研究編集委員会


■目次

Introduction 五十嵐太郎
20世紀・都市・建築および諸思想関連年表 南泰裕
世界建築地図 森川嘉一郎

[01]建築の終わりの系
退行建築論序説 森川嘉一郎
01 ナチス党大会会場──大衆宣伝と映像建築 森川嘉一郎
02 コニーアイランド──遊園地空間の特性と発達 森川嘉一郎
03 電気的迷宮のフォトコラージュ──ミラノ・トリエンナーレ68からヴェネツィア・ビエンナーレ96へ 森川嘉一郎
04 日本万国博覧会──前衛の退却 森川嘉一郎
05 ブレードランナー──テクノ・オリエンタリズムの発見 森川嘉一郎
06 宮崎勤の部屋──オタク空間とサイバースペース 森川嘉一郎
07 バーバンク・ティームディズニー・ビル──広告価値をまとう建築家たち 森川嘉一郎
08 ビルバオ・グッゲンハイム美術館──表象対象の喪失と建築表現の個人化 森川嘉一郎
09 阪神大震災──戦後日本都市のディコンストラクション 森川嘉一郎
10 サティアン──預言者の建築 森川嘉一郎

[02]テクノロジーの系
部分集合体としての建築 佐藤考一
01 大量生産の神話──建築家が見落としたもの 佐藤考一
02 グロピウスの未来予想図──美的統一原理に基づく一般住宅建設会社の設立要綱 佐藤考一
03 最後のナンシー派──ジャン・プルーヴェのクラフトマン・シップ 佐藤考一
04 可能な限り最大の加速度で──プロトタイプの複製 佐藤考一
05 1930年代の彼岸──建築家による住宅メーカーの設立 佐藤考一
06 ケース・スタディ・ハウス列伝──彼岸の建築家達 佐藤考一
07 ビルディング・システム開発──工業化の離陸 佐藤考一
08 あなたには《普通》は設計できない──建築家という職能への異議申し立て 佐藤考一
09 モデュールからコンポーネントへ──オープン・システム理念の誕生 佐藤考一
10 増殖するコンポーネント──ハイテク・スタイルのアプローチ 佐藤考一

[03]素材の系
20世紀における非ユダヤ的なるものとしての素材論 石崎順一
01 シャイニング・ボディとしての建築──物語としての素材=ガラス 五十嵐太郎
02 非イズムとしての表現主義──形態と素材との関係から見た「表現」をめぐる一考察 福田陽子
03 素材の不透明な表面──アドルフ・ロース《ミュラー邸》(1929) 橋本直明
04 インターナショナル・ヴァナキュラーへ向かって──アントニン・レーモンドとマテリアリズム 石崎順一
05 白い+タイルの記号学──山田守《厚生省保険業務室庁舎(社会保健庁高井戸庁舎)》 大川信行
06 都市ヴァナキュラーへの戦略──安藤忠雄と石山修武の70年代 石崎順一
07 ルミネセント・ボディとしての建築──アーバン・マテリアルとしての冷光 槻橋修
08 構造(ストラクチャー)から質感(テクスチャー)へ──鉄・ガラス・コンクリートとその後の素材 馬場正尊

[04]単位の系
単位の系としての「物体的構造」と単位としての「知覚的構造」 奈尾信英
01 柱──ミース・ファン・デル・ローエ《ベルリン新国立ギャラリー》 奈尾信英+梅澤豪太郎
02 壁柱──菊竹清訓《スカイハウス》 奈尾信英+梅澤豪太郎
03 屋根・天井──コープ・ヒンメルブラウ《ルーフトップ・リモデリング》 奈尾信英+梅澤豪太郎
04 床・折り紙──アレハンドロ・ザエラ=ポロ+ファッシド・ムサヴィ「横浜港国際客船ターミナル案」 奈尾信英+梅澤豪太郎
05 壁──ヘイダック《ウォール・ハウスI,II,III》 奈尾信英+梅澤豪太郎
06 階段──スカルパの作品 奈尾信英+岩谷洋子
07 窓・扉──ヴィトゲンシュタイン《ストンボロー&ヴィトゲンシュタイン邸》 奈尾信英+梅澤豪太郎
08 チューブ構造──SOM《ジョン・ハンコック・センター》 奈尾信英+梅澤豪太郎
09 接合──リチャード・ロジャース《ロイズ・オブ・ロンドン》 奈尾信英+梅澤豪太郎
10 襞──マイケル・ソーキン《ウィード・シティ》 奈尾信英+梅澤豪太郎

[05]単位の系II──レス建築
何かがない建築 塚本由晴
01 部屋がない!──もうひとつの建築 米津正臣
02 基礎がない!──建築の可動性/不動性 香川貴範
03 芯がない!──中空化された構造の働き 美濃部幸郎+吉村英孝
04 枠がない!──枠の二項化=記号化作用 美濃部幸郎+吉村英孝
05 壁がない!──境界による環境分析 美濃部幸郎+吉村英孝
06 窓がない!──オブジェ化 増山絵理奈+長岡大樹
07 姿がない!──環境情報の顕在化 川上正倫+吉村英孝
08 設備がない!──空調設備 斉藤千尋
09 柱がない!──ランドスケープに広がるストラクチャー 風袋宏幸
10 材料がない!──操作を表現すること 今井公太郎

[06]身体の系
散逸する全体性 槻橋修
01 「目」と「手」の弁証法──モデュロール 金塚英雄
02 ガウディの身体スケール──コロニア・グエル 坂本知子
03 軽くなる身体と建築のリアリティ──東京遊牧少女の包 坂本知子
04 「ライトネス」と身体──レンゾ・ピアノの現代的屋根 今井公太郎
05 階段/視野と尺度──記号としての苦痛 奥田真也
06 運動が描き出す空間──20世紀の身体運動観 伊藤香織
07 不随性について──荒川修作+マドリン・ギンズ 樫原徹
08 精神の容器──もうひとつのユニバーサル・スペース 橋本憲一郎
09 ディラー+スコフィディオの香り──カップルというセクシュアリティ、または独身者の機械 福屋粧子
10 マンハッタン・トランスクリプト──身体、エロティシズム、パラ・イヴェント 田中大介
11 顔貌──カサ・デル・ファッショ 金塚英雄
12 メドゥーサの劇的仮面──あるいは新しい円環を完成させようとする一匹の蝿の物語 ジン・タイラ
13 主の不在──手、顔、局部 堀井義博+丸橋浩

[07]形態の系
形態という問題 後藤武
01 統辞論的建築──建築における超越論的主体の不可能性と不可避性 丸山洋志
02 虚の透明性──建築の現象的存在と実体的存在を区別する根拠について 丸山洋志
03 直感による形態──中世的職人建築家メーリニコフ 山崎楊史
04 タイポロジーと類推的建築──ことばなく「書き綴る」人──アルド・ロッシ 丸山洋志
05 マニエリスムと現代──不安定な時代における建築 松田達
06 E=mc2の建築──エーリッヒ・メンデルゾーン《アインシュタイン塔》 田中純
07 忘却され反復される英雄──ジェームズ・スターリングの遺産 岡崎乾二郎
08 ミニマリズムとテクトニクス──自己決定と自家撞着のはざまで 大島哲蔵
09 リチャード・セラ《シフト》──空間の共約不可能性 近藤學

[08]引用・批評の系
建築の「デュシャン以後」 森川嘉一郎
01 工業製品の美を超えて──マルセル・デュシャンのレディメイド 鷲田めるろ
02 引用について──ウォーホル/リキテンスタイン 近藤學
03 アドルフ・ロースのシカゴ・トリビューン設計競技案──永遠のドリス式円柱 横手義洋
04 フィリップ・ジョンソンのスタイル──「私はカメレオンのような建築家である」または「建築家ではない」 福屋粧子
05 《リチャーズ医学研究所》──モダニストたちによる歴史的引用 森川嘉一郎
06 建築は学ぶ──圏外の建築へのオリエンタリズム 福屋粧子
07 分裂症的折衷主義──そして、折衷的な、《つくばセンタービル》論 大川信行
08 80年代ニッポン建築の華──石井和紘《同世代の橋》 倉方俊輔
09 ピーター・アイゼンマン──建築におけるテクストの転位的引用について 田中大介
10 最も単純(シンプル)な"feeling"ヘの果てしない道のり──ユーザー参加と建築家の主体 松原永季

[09]空間の系
表象に抗する空間 後藤武
01 身体空間のサーキュレーション──建築とサーキュレーションの彼岸 五十嵐光二
02 《ミュラー邸》──ラウムプランと経験の主体 後藤武
03 ユートピアの記憶──ジュゼッペ・テラーニ「ダンテウム」 田中純
04 記憶のアナモルフォーズ──ダニエル・リベスキンド《ユダヤ博物館》 田中純
05 レム・コールハース「フランス国立図書館案」──ヴォイドの系譜学 後藤武
06 スティーヴン・ホール《ヘルシンキ現代美術館》──キアズムと感覚の論理 後藤武
07 設計される空間、様相の構築──原広司の「様相論」 槻橋修
08 集中表現としての《未完の家》──切断によって純化されたキューブ 今井公太郎

[10]ミース/ル・コルビュジエの系
一般名詞化する2つの固有名詞 堀井義博
01 ル・コルビュジェ《ラ・トゥーレット修道院》──空間と潜在性 後藤武
02 近代建築の新大陸──輸入された幾何学的空間、そして表面について 門脇哲也
03 ピーター・ズントー──《事態》の建築家 太田浩史
04 ガラスのスカイスクレーパー──ミース・ファン・デル・ローエの初期の建築について 西沢立衛
05 平面と自由──「ドミノ」と《ファンズワース邸》 槻橋修
06 伊東豊雄の透明性──ドミノ・シリーズから「シングル・ラインのル・コルビュジエ」まで 笠原一人
07 パリ、シャンゼリゼのシャルル・ド・ベステギ邸──映画としての建築 棚瀬純孝
08 ドミノにおける斜床──「フランス国立図書館OMA案」と 「ジュシュー・キャンパスの2つの図書館OMA案」 奥田真也
09 マルセイユの《ユニテ・ダビタシオン》──凝固する都市のイメージ 小川次郎
ル・コルビュジエに見る20世紀の建築と文化 森山学

[11]住宅の系
『それでも「住宅」は「私」たちによって語られ作られていくという世紀にあってこそ』 山中新太郎
01 セクシーな住宅──篠原一男のエロティシズム 山中新太郎
02 私の家と母の家──母胎建築論序説 五十嵐太郎
03 室内空間の手ざわり──視覚と触覚の交差する部屋 伊藤香織
04 フェイス・フェイム・フェイト──メインストリートのならず者 越浦太朗
05 「私」を保障してくれるもの──ビルドゥングス・ロマンとしての個室群住居 藤岡大学
06 建築が建築でなくなるとき──《中野本町の家》 三好隆之
07 アパートメントハウス──東京における戦前集合住宅の諸相 大月敏雄
08 快楽主義者のための住宅──または現代住宅の快楽的観察について 山中新太郎
09 世紀末住居学──「女性原理」がつくる集合住宅の試み 山中新太郎
10 都市型住居のパラノイア──条理ある疑いの彼方へ 越浦太朗

[12]ビルディングタイプの系 I/プログラミング
制度=施設の学へ 大川信行
01 欲望供給の自動機械──ロジスティクス・センターの履歴 大川信行
02 シンガポール・チャンギ空港──世界有数のハブ空港 安田結子
03 デザインの多層構造──コンビニの変革 大川信行
04 標的としてのビルディングタイプ──電算センター設計の作法 大川信行
05 ペンタゴンからオン・ディマンドまで──オフィス 大川信行
06 ハリウッドのビルディング・タイプ王──銀幕のアルカトラズ 大川信行
07 死の工場──アウシュビッツ以前、以後 飯島洋一
08 《フランス国立図書館》──虚構のヴォリューム 助川剛
09 フランク・ロイド・ライトの《プレイハウス》──学校建築、小さな宇宙 永井理恵子
10 20世紀のキリスト教建築──英国の3つの大聖堂から 加藤耕一

[13]ビルディングタイプの系 II/B級BT
B級ビルディングタイプの戦略──建築論の境界条件としてのビルディング・タイプ 塚本由晴
01 空間の圧縮化──人の行き場のない建築 大成優子+長岡大樹
02 「コンビニ」シティ──都市─コンビニ─個人─ものの可逆的関係 柳沢潤
03 マルチレストラン──複製化 塩見理絵
04 スポーツの箱庭化──網篭のヴォリュームと地形の導入 安野彰+勝木祐仁
05 建築の道路化──拡張された身体と建築 川上正倫+吉村英孝
06 高架下複合化──長大建築(W×H×L: 15m×8m×30000m) 久野康広+黒田潤三+長岡大樹
07 アメムチ複合化──メイワク施設の偽装化 黒田潤三+久野康広
08 インフラ・モニュメント──換気塔の現在 笠井誉仁
09 公園化──虚のビルディング・タイプ 川上正倫

[14]ランドスケープの系
「景」、リアリズムと「観察者」 山内彩子
01 ローレンス・ハルプリンとフリーウェイ計画──都市環境の改善手段としての道路計画 五島聖子
02 ケース・スタディとしてのプロトティピカル・ガーデン──瀟洒な西海岸:ディズニー、モンロー、ハリウッド 久保田正一
03 オークランド・ミュージアム──アメリカン・ネーチャーとモダニズム 山内彩子
04 2つの《環境─建築》──1940年代──日本のモダン・デザイン 田中禎彦
05 アーコサンティ──エコロジーと建築家 山内彩子
06 ラ・ヴィレット公園──未来の公園 山内彩子
07 裏返る地球──温室の内部と外部 清水裕二
08 キュビストの木──1925年アール・デコ博覧会の抽象庭園 村上修一
09 遠近法、ランドスケープ、ノンサイト──ロバート・スミッソン《螺旋形の突堤》 槻橋修
10 兵庫県立先端科学技術支援センター──ハイブリッド・コンポジション? 山内彩子

[15]都市/アーバニズムの系
変化する多面体(Polyhedron)としての都市 奈尾信英
01 首都/ベルリン──西と東 奈尾信英
02 20世紀の新首都──モダニズムの都市計画再考 木内俊彦
03 都市パターン/産業化時代──資本主義的あるいは有機的な都市計画 奈尾信英
04 ニュータウン、ミルトンケインズ──20世紀都市計画、その挑戦の跡 木内俊彦
05 フランスのヴィーユ・ヌーヴェル──サン・カンタン・アン・イヴリーヌを通してみる新しい郊外都市の可能性 安田結子
06 メトロポリス/シカゴ──「ブラックベルト」の形成史 奈尾信英
07 都市のなかの女性/グラスゴー、ベラクルス──都市闘争 奈尾信英
08 都市の保存──ウルビーノ 岩谷洋子
09 インナー・シティ/ロンドン──ジェントリフィケーション 奈尾信英

[16]アンビルトの系
アンビルトの召喚 後藤武
01 「雲の鐙」──アクソノメトリーと空間の変容 後藤武
02 全面建築のヴィジョン──ブルーノ・タウト「アルプス建築」 田中純
03 虚のファルス──ミース・ファン・デル・ローエ「ガラスのスカイスクレイパー」 田中純
04 マンハッタンの子宮──ヒュー・フェリス『明日のメトロポリス』 田中純
05 未来像のリアリティ──イメージ、メディア、想像力 松田達
06 無根拠な奇想──アルド・ロッシ「類推的都市」 田中純
07 廃墟とユートピア──他者との距離を隠蔽し、そのなかに身を隠す磯崎新 松田達
08 歴史に降り立つ境界線──記憶を切開する空間 南泰裕
09 ビットマップ・アーキテクチャー──サイバースペースのアンビルディング・タイプ 助川剛

[17]資本主義世界の系──アメリカ
自動車とスペクタクルの社会がもたらしたもの 五十嵐太郎
01 大富豪と女性建築家のパイオニア──ジュリア・モーガンのハースト城 五十嵐太郎
02 メトロポリスの摩天楼1900-30──大衆の時代のイコン 大嶋信道
03 「強いアメリカ」のあいまいな建築家──2つのニューヨーク世界博とW・K・ハリソンをめぐって 五十嵐太郎
04 アニメーテッド・ユートピア──いかにディズニーランドは語られたか? 五十嵐太郎
05 ハイウェイとサバービア──ドライヴ・インの建築と量産住宅 五十嵐太郎
06 経済原理と保存戦略──消費国家アメリカ 梅津章子
07 ラスヴェガスの60年代と90年代──死へと向かう果てしなき欲望と消費の街 五十嵐太郎

[18]社会主義世界の系
アナザー・メトロポリス 松原弘典
01 モスクワの尖塔形式の高層建築──スターリンの都市建設 松原弘典
02 平壌の建築──「ウリ式」建築 慎貞吉
03 《人民宮殿》、ブカレスト、ルーマニア──ルーマニア社会主義共和国崩壊のモニュメント 木下壽子
04 北京50年代の《十大建築》──毛沢東時代の歴史証言 楊元宜

[19]アジア/アフリカの系
ポストコロニアル時代の資本と建築 五十嵐太郎
01 旧朝鮮総督府庁舎の撤去──建物の撤去と政治的共同体 禹東善
02 南アフリカ共和国の近代建築──白欧主義の摩天楼 濱中直樹
03 アルジェとル・コルビュジエ──地中海、オリエンタリズム、対話 森山学
04 ハノイの帝冠様式──建築からの「地域」への視線 大田省一
05 エジプトの建築家ハッサン・ファトヒーの挑戦──泥と自然の建築 城戸美和
06 ひまわりとヘビ──イスラエル──幾何学建築の行方 横山武志
07 丹下健三のアジア、アフリカでの仕事──建築と権力の間で 松原弘典
08 アジアのスラム──明るいスラム、暗いスラム 牧紀男
09 アジアの公共集合住宅──韓国と台湾を中心に 大月敏雄
10 九龍城──もうひとつの香港物語 木下光
11 アジアの超高層──コピーというポストモダン現象 木下光
12 マレーシアの新首都計画と華人建築家──ワワサン2020とトロピカル・アーキテクチャーの構想力 中沢信一郎
13 アジアの都市国家シンガポール──シンガポールの建築家群像 中沢信一郎
14 中華ポストモダン──建築家、李祖原と中華ポストモダン 中沢信一郎
15 ヴェトナム・フエ・グエン朝京城の保存・修復計画──ユネスコ世界文化遺産保存 中沢信一郎

[20]リージョナリズムの系
周縁化、脱中心化、形式化の視座から 横手義洋
01 古典主義的合理主義の展開──歴史的様式の再解釈 横手義洋
02 ナショナル・ロマンティシズムの夢──《コペンハーゲン市庁舎》と《ストックホルム市庁舎》 大嶋信道
03 モダニズムと伝統──ジャイルズ・ギルバート・スコットとアルベルト・サルトリス 横手義洋
04 韓国の伝統論争──1960年代と2つの博物館とをめぐって 禹東善
05 建築における「土着性」をめぐって──失われた主題の模索 浅見雅之
06 集落──自己言及へ向かう「建築」と、デザイン・サーヴェイのゆくえ 槻橋修
07 風水──風水は都市・建築とどう関わるのか 村田あが
08 アガ・カーン建築賞──現代のイスラム社会と建築 城戸美和
09 へん愛の建築史学──伊東忠太「法隆寺建築論」 倉方俊輔
10 周縁的実践──フランプトンの批判的地域主義 岡田哲史
11 混血者のリージョナリズム──リカルド・レゴレッタの《マナグアの聖堂》 太田浩史
12 修復はデザインの一要素である──歴史的建造物へと向かったイタリアの4人の建築家たち ウーゴ・ミズコ

[21]世紀の終わりの系──「日本」建築をめぐって
「日本」建築をめぐって 五十嵐太郎+石崎順一
01 国家神道の建築──靖国神社と明治神宮 五十嵐太郎
02 帝冠様式──建築の「日本精神分析」 青井哲人
03 植民地と大東亜建築──1940年代前半の建築観とアジア 青井哲人
04 戦後思想としての廃墟──《原爆ドーム》、痛みの表象 南泰裕
05 「保存」という聖域と宙吊りにされる伝統──建築保存にみる二重の「日本」 清水重敦
06 皇居建築と「日本」論の行方──はたして建築は国民化されうるか 青木祐介
07 戦後における新宗教の建築──もうひとつの近代と伝統のあいだ 五十嵐太郎
08 「ニッポン」の建築家・丹下健三──伝統とモニュメンタリティを追い求めて 津村泰範
09 伝統論争──ジャーナリズムとしての「縄文 vs 弥生」 米山勇
10 国家的デザイン、という欲望のゆくえ──国家と建築のディスコミュニケーション 南泰裕

20世紀建築研究年表 赤松加寿江+川上正倫+北見啓輔+土井伸朗+松田達+鷲田めるろ
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