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吉田謙吉と12坪の家<br>──劇的空間の秘密

BOOKLET

吉田謙吉と12坪の家
──劇的空間の秘密

本体価格 1,800円
体裁 A4判変型・並製・80頁
ISBN
978-4-86480-524-7

2018年12月発行

展覧会

舞台美術を中心に、考現学採集、装幀、文筆業など多彩なジャンルで活躍した吉田謙吉(1897-1982)は、52歳(1949年)で東京・港区に12坪の家を建てた。小さいながら小ステージがあり、恩師の今和次郎に「愉快な家」と言わしめた家。さて、その独創的な空間づくりの詳細はいかに。
本書は、この12坪の家に影響を与えたであろう謙吉の仕事を振り返りながら、"劇的空間"としての自邸の秘密を解き明かそうとするものである。謙吉は、関東大震災、続く第二次世界大戦という多くの人々の暮しが解体された大災難に遭っても、彼のまなざしは常に自由で新しいものに向けられていた。バラック装飾社、考現学、築地小劇場での舞台美術の仕事、住まいの提案......、人を喜ばせることが好きで、自身も人生を楽しく謳歌することを望んだ彼の生き方を、12坪の家を基軸に、謙吉が残した空間づくりに関わる数多くの記録と自身の言葉から探っていく。


■目次

第1幕 劇的空間 12坪の家
"12坪の家"とは?/各部屋案内/ホール兼居間/ステージ兼アトリエ/台所、浴室・便所、家事室兼寝室/書斎/2階、庭

第2幕 自由であたらしいまなざし
バラック装飾社/考現学
小さな家──「12坪の家」と「バラック」と「51C」 布野修司

第3幕 人をたのしませる空間づくり
舞台美術 築地小劇場/築地小劇場での舞台美術/築地小劇場分裂後の舞台美術/店舗設計
築地小劇場と12坪の家を結ぶ"コミュニティー性" 平田オリザ

エピローグ 住まいをたのしむ、暮しの工夫
吉田謙吉 略年譜
舞台のある"12坪の家"の38年間 塩澤珠江

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