10＋1　No.10
特集＝ル・コルビュジエを発見する

新たに発見された紀行文や資料の読解を通して、また植民地建築やフェミニズムといった視点から、未知のル・コルビュジエを発見する。

編集協力＝米田明

■目次

□特集　ル・コルビュジエを発見する
［鼎談］ル・コルビュジエをどのように発見するか──主体／リアリティ／メタ建築　入江経一×丸山洋志×米田明
コルビュジエのまなざしと絵画、そして透明性へ──ピュリスム　米田明
ディープ・スキン　マーク・ウィグリー　訳＝松畑強
古典の発見──ジャンヌレのミメーシス　中村貴志
『ラ・ロッシュのアルバム』──ル・コルビュジエ　1920-1922　岩谷洋子
ル・コルビュジエの絵画──あるいはル・コルビュジエの身体像　呉谷充利
保守主義、近代主義、戦争──戦前のル・コルビュジエ　松畑強
描かれた「現代都市」──ル・コルビュジエのドローイングと都市計画　加藤道夫
衛生を建築する──近代的衛生者としてのル・コルビュジエ　森山学
2 into 1──スタイン-ド・モンジー邸の思考プロセス　マルク・デュボワ　訳＝三宅理一
「2 into 1」への序説　ヘラ・ファンサンデ　訳＝植林麻衣
ル・コルビュジエ、オリエンタリズム、コロニアリズム　ザイネップ・セリック　訳＝篠儀直子
戦線──「E1027」　ビアトリス・コロミーナ　訳＝篠儀直子
家具と女性性　メアリー・マクレオード　訳＝毛利嘉孝
［写真］『ル・コルビュジエ』を創造した写真家──ルシアン・エルヴェ　林美佐

□連載
知の空間＝空間の知［6］共和国と「楽しい科学」──あるいは通俗化の諸形態　松浦寿輝
非都市の存在論［6］ポスト郵便都市──手紙の来歴、手紙の行方　田中純
東京ディズニーランドの神話学［2］極端な日常　桂英史
都市の全域性をめぐって（上）空間と「場を占めぬもの」　若林幹夫
［3］九龍城砦　宮本隆司

□10＋1 REVIEWS
建築の言説、都市の言説［6］曖昧なる明晰──ヴェンチューリの折衷神話　大島哲蔵
建築とイマージュ［6］幾何学と起源 2──洪水の後で　松岡新一郎
ビルディング・タイプの解剖学［6］動物（園）の幾何学──分類と権力　五十嵐太郎＋大川信行
情報空間の地理学［6］サイバースペースの「第三の空間」──空間における権力の「再生産」と「交渉」　毛利嘉孝
住居の視点、住居の死角［5］集合住宅の原点は「シニア住宅」をうながす──代官山アパート復元にみる「同潤会」の精神　米沢慧