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炎を操る<br>──刀・やきもの・ガラス─1050度、美の誕生

INAXミュージアムブック

炎を操る
──刀・やきもの・ガラス─1050度、美の誕生

本体価格 1,500円
体裁 B5判・並製・64頁
ISBN
978-4-86480-909-2

2016年05月発行

人類は、自在に「火」を熾す方法を身につけ、その熱で物の性質を変え、新たなものを生み出してきました。その一つ、「土器」は、貯蔵容器や煮炊きの道具となり、液体を運ぶことを可能にしましたが、現在のような固く水が浸透しない器に進化するには数千年の時間を要しました。なぜなら、原始的な焼成方法では、土が熔け、化学変化を起こす1000度以上の高火度の炎を安定して得ることが難しかったからです。そこで人は、高火度を得るために、炎のまわりに囲いを築いて熱をこもらせ、風を立てて酸素を送り、温度を上げる方法を発見し、技術として発展させました。それらが数千年という時間をかけて形になったのが、「窯」「煙道・煙突」そして「鞴(ふいご)」です。これらの技術により、炎は1050~1400度に達し、固く焼しめられた陶磁器や刀剣、ガラスが誕生しました。さらに炎を操る術が進化すると、用を満たすだけでなく、より美しいものへと変貌していきます。高温がくぐり抜けたものだけが持つ力と美、その誕生の術を追います。


■目次

温度別工芸美術館
火を操る人 遠藤ケイ
たたら製鉄 米原有二
鞴──高温の立役者 永峰美佳
刀 米原有二
備長炭 広若剛

□やきものの窯
窯焚きで気をつけたこと 市野晃司
瀬戸の窯 岡本直久
窯焚きから読み解く、窯の仕組み 寺田康雄

やきものの窯──石炭窯 宮地英敏
吹きガラス

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