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大地の赤<br>──ベンガラ異空間

INAXミュージアムブック

大地の赤
──ベンガラ異空間

本体価格 1,500円
体裁 B5判・並製・64頁
ISBN
978-4-86480-907-8

2015年04月発行

「赤」は人類にとって身近であり、同時に特別な色でした。鳥居や寺院の柱や戸、町家の格子や壁、仏像、さかのぼれば縄文時代の土器や土偶の多くは元来赤く塗られていたと、近年考えられています。また1万5000年~8000年前のアルタミラ洞窟(スペイン)やラスコー洞窟(フランス)の壁画に赤が塗られたことはよく知られています。赤は「彩る」ことの始まりから必須の着色剤だったようです。
本書は、最古の着色剤の一つ「ベンガラ」をさまざまな角度から紹介していきます。ベンガラは、地球上の資源のなかで特に豊富な鉄からできているため入手しやすいこと、そして色が落ちにくく、装飾に加え防腐・防虫としても役立つことから、江戸から昭和初期に日本各地の木造建築の格子や軒先、壁に用いられています。江戸時代には、吹屋(岡山県)産の「ローハベンガラ」という上質なベンガラが登場し、高級磁器の上絵や漆器を鮮やかに彩りました。ベンガラは人類にとって古代より馴染みの深いものですが、私たちはその素性を知りません。入手しやすい身近な存在でありながら、同時に特別な異空間をつくることができる赤い着色剤・ベンガラ。その歴史と製造方法をみながら、日常とは異なる世界へいざなう「ベンガラ」の魅力を紐解いていきます。


■目次

赤、言葉の辞典──朱 丹 代赭 紅 緋 臙脂 蘇芳 國本学史
祈りの赤──日本の赤土祭事
縄文土器・土偶・弥生土器──すべて赤い時代 小林達雄
装飾古墳──赤い石室 志賀智史
ベンガラとは何か──ベンガラの歴史とつくり方 北野信彦
建築 ベンガラ塗装史 北野信彦
絵画の素材としてのベンガラ──不人気の理由 青木芳昭
ベンガラの町、吹屋ものがたり──「ローハ」が生み出した、極上の赤 永峰美佳
九谷焼 赤絵細描──赤い線が生む煌めく世界 福島武山
赤絵町の赤と鍋島・伝統の赤 十四代今泉今右衛門
常滑・朱泥急須の「高度成長期」とベンガラ 中野晴久

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