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七宝<br>──色と細密の世界

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七宝
──色と細密の世界

本体価格 1,500円
体裁 A4判変型・並製・72頁
ISBN
978-4-86480-707-4

2009年06月発行

光を受けて輝く様が宝石にも例えられる七宝。この技術は古代より世界各地で使われ、日本でも古くから建築や家具、道具類と、様々なものを彩ってきました。武士の時代が終わった明治期、その身の回りの道具を作っていた職人たちは、万博への工芸品出品に活きる路を転じ、卓越した技術と感性を注ぎこみます。七宝はその代表的な分野で、緻密さと海外に向けた意匠が大いに受け、一躍日本趣味流行の立役者となりました。
本書ではその至高の細密と美の世界を、写真と文章でひもときます。まずは京都の名工・並河靖之の工房と遺された作品を、写真家・益永研司氏の写真と、並河の元を訪れた英国人写真家ポンティングの紀行文により紹介、凛とした時代の美意識とともにある明治七宝のたたずまいを伝えます。ついで、釉薬が描き出す優美な名品を、写真家・小泉佳春氏の写真でご覧いただきます。
また論考では、七宝の辿ってきた歴史的背景、海外で七宝がどう受容されてきたかの調査結果を紹介。さらに七宝作品が綿密な技術の集大成であることを、制作工程からあらためてお伝えします。近代日本に花開いた優美の技をじっくりと味わえる一冊です。


■目次

比類なき七宝の名品──並河靖之の工房 ハーバート・G・ポンティング
工房の図案
色と細密の世界
七宝とその時代 小川幹生
海を渡った日本の七宝 畑智子
七宝をもっと知る
受け継がれる創造性──安藤七宝店の工房にて

撮影=小泉佳春+益永研司(ナカサ アンド パートナーズ)

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