
LIXILブックギャラリー閉店のごあいさつ
2018.07.20(Fri)
LIXILは、建築、デザイン、生活文化をテーマに、幅広く文化活動を行っています。愛知県常滑市のINAXライブミュージアムでは、世界最古のタイルを展示する「世界のタイル博物館」をはじめ「窯のある広場・資料館」「陶楽工房」「土・どろんこ館」「建築陶器のはじまり館」「ものづくり工房」を運営、多くの方々が体験し、楽しまれています。
東京都中央区京橋では、1981年、統合以前の旧INAXの時代にギャラリーを開設、1986年には出版活動を開始し、1988年には直営の本屋として「INAXブックギャラリー」をオープンしました。
「ブックギャラリー」は、建築、デザイン、インテリアを中心に、オリジナルの視点で書棚を埋めてきました。歴代のスタッフが1冊1冊、丁寧に選書したラインナップが「LIXILブックギャラリー」の特徴です。独自に選び抜いた約12,000冊の書籍、そのユニークな品ぞろえは注目を集め、開店当初からいただいているファンもいらっしゃいます。 本の背表紙を端から順にご覧になっていく方、楽しそうにじっくりじっくり本を選ばれる方、年に何回か足を運ばれ、まとめてたくさん求められる方、ご購入の際に声をかけてほめてくださる方、「ここ、好きなんですよ」とうれしい言葉をくださった方、独特な本の並べ方に「本が探しにくい」とお叱りを受けたこともありました。30年の間に、実に多くのお客さまが「ブックギャラリー」を支えてきてくださいました。一人ひとりにお礼を申し上げることはかないませんが、心より御礼申し上げます。
LIXILは、このたび約30年の「ブックギャラリー」の歴史に幕を閉じることを決定しました。当時、住宅設備メーカーが始めた本屋は、ある意味、稀有な存在だったかもしれません。この小さなスポットで、お客さまに何を提供できるのか?建築やデザインを学ぶ人に、ギャラリーを訪れた人に、銀座通りを歩いてきた人に、ランチの後で立ち寄った人に・・・目指す本の、その隣の本を手に取ってもらえるよう、各分野の幅の広さ、奥行きの深さを知り、興味の幅を拡張できる醍醐味を、きっと誰かに届けられたのではと思います。 「ブックギャラリー」は、建築・デザイン・生活文化という特定分野を掘り下げ、その奥深さを紹介することで、旧INAXの、今はLIXILの文化活動の一端を伝えてきました。 時代とともに歩んできましたが、2018年の今、情報発信のあり方、書店への期待や書籍の流通も変化してきています。
LIXILは、常に新しい試みに挑戦し続けます。長く愛されてきたブックギャラリーの場で、今、次の準備を始めています。これまでLIXILブックギャラリーへのご愛顧、ありがとうございました。
今後とも、LIXILの文化活動へのご理解、ご支援をお願い申し上げます。
- 旧INAXブックギャラリー外観
- 旧INAXブックギャラリー内観
- 旧INAXブックギャラリーエントランス
- オリジナルブックフェア「建築十八番」
2017年8月1日-9月29日 - オリジナルブックフェア「癒し」
2016年10月1日-11月29日 - オリジナルブックフェア「かたちの不思議」
2013年9月1日-10月31日 - オリジナルブックフェア「酩酊ブックス」
2011年9月1日-10月31日 - オリジナルブックㇷフェア「いとしのパリ」
2010年11月1日-12月28日 - オリジナルブックフェア「ふしぎの謎解き」
2011年3月1日-4月30日 - 講演会「カラスの教科書」
2016年3月 - 講演会「心と体に効かせるはじめてヨガ」
2017年1月 - 講演会「いい感じの石ころを拾いに」
2016年9月 - LIXILブックギャラリー店内