急須でお茶を―宜興・常滑・香味甘美

急須でお茶を―宜興・常滑・香味甘美

最近、急須でお茶を淹れたのはいつでしょうか。ペットボトルなどの普及により、急須でお茶を「淹れる」習慣から遠ざかった人が多くなっています。一方で、日本茶の産地や品種を知り、楽しむ人が増え、さまざまな点からお茶のよさが見直されています。

急須は、茶葉を投じ、お湯をそそぎ、待ち、そして器につぐというお茶を淹れる一連の動作の主役となり、慌ただしい日常の生活を一瞬にして心地よい異空間・異次元へと導きます。やきもの、ガラス、鋳物など現在はさまざまな素材の多彩なデザインがありますが、その多くは宜興産の急須がモデルになったものです。急須の名産地として日本の人たちにもなじみ深い、中国・宜興(ぎこう)。なかでも「紫砂(しさ)」と呼ばれる深みのある色の急須は、清時代の文人はもとより、日本の京都や江戸の文化人、さらにはヨーロッパの人たちをも魅了しました。急須は色や形を変えながらも、茶を飲む文化とともにティーポットとなって定着しました。常滑(とこなめ)では、この宜興の影響を受けながら江戸時代後期から急須をつくり始め、日本の急須の代表的な産地に成長し現在に至っています。

本展では、お茶の時間をより味わい深いものにする魔法の道具「急須」の魅力を、宜興と常滑を中心とした古今の約50点の急須とともに紹介し、お茶を淹れるひとときの豊かさをあらためて体感いただきます。

会期2018年4月21日(土)~9月25日(火)
会場INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
休館日水曜日(祝日の場合は開館)
観覧料共通入館料にて観覧可 (一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
主催INAXライブミュージアム企画委員会
共催宜興陶瓷博物館・中国紫砂博物館
協力宜興市政府、宜興市文廣新局、宜興陶磁行業協会 煎茶道賣茶流 家元 髙取友仙窟
展示デザイン西本剛己(ARTLAB+)

見どころ

中国・宜興
・紫泥茶銚、孟臣銘、萬豊順記形、清時代【写真1】
・周桂珍(中国工芸美術大師)、六倫壺、現代[宜興陶瓷博物館蔵]【写真2】※展示7月5日まで
・邱玉林(中国陶磁芸術大師)、万裏茶道(彩陶紫砂壺)、現代[宜興陶瓷博物館蔵]【写真3】※展示7月5日より
・呉奇敏、合和壺、現代・范澤鋒、「禅泉・般若・立明」、現代

〇宜興・急須作品の展示替え
人間国宝級の称号を持つ、中国を代表する作家の急須作品を一部入替えいたします。
後期展示期間:7月5日(木)~9月25日(火)

日本・常滑
・三代清風与平、白釉茶銚、明治時代、京都 初代杉江寿門、朱泥菊型急須、明治時代、常滑[とこなめ陶の森蔵]
・掘友直、色絵母子鶏茶銚、万古、明治時代【写真4】
・初代山田常山、朱泥茶銚、大正時代末期、常滑【写真5】

関連書籍

関連イベント

レストラン特別メニュー 常滑焼急須で淹れる玉露&ドルチェセット

開催期間 2018年7月9日(月)〜8月31日(金)
カフェ時間 10:00-11:00 / 14:30-17:15

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宜興・常滑友好交流プロジェクト実行委員会主催 「急須でお茶を愉しみましょう」

開催日時 2018年7月8日(日)14:00-16:00

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日本茶インストラクター ブレケル・オスカル氏イベント

開催日時 ①お茶会「ブレケル・オスカル氏と急須でお茶を」
2018年7月11日(水)15:00-16:30

②講演会「日本茶・急須 再発見」
2018年7月11日(水)18:30-20:00
講師 ブレケル・オスカル

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