常滑の岡本太郎1952
― タイル画も陶彫も、1952年の常滑から始まった ―
1952(昭和 27)年は、岡本太郎とやきもの、そして常滑にとって特別な 1 年でした。
前年の51 年、東京・世田谷にある自宅の風呂場や台所をタイル張りに改装したことが、タイル素材との出会いでした。翌年、油彩の画家として知られていた岡本が愛知・常滑を訪れ、工業製品の色鮮やかなモザイクタイルを使った絵画を制作し、主要な展覧会に次々と出展。観衆はもちろん当時の美術評論家にも驚きをもって迎えられ、話題となったできごとでした。
さらに東京・日本橋の髙島屋の地下通路にモザイクタイルの巨大な壁画《創生》を制作し、誰もが日常で見られる芸術作品=パブリックアートの先駆けの一つとなりました。
岡本にとって初となる本格的な立体作品を、やきもので手がけたのもこの年です。前年、東京国立博物館で縄文土器に出会い、衝撃を受けたことを「縄文土器論」として雑誌に発表した岡本は、18 年後の大阪万博会場に完成する《太陽の塔》を彷彿とさせるような、両手を開いた人物像、陶彫《顔》を3体制作しました。うち一つは父・一平の墓標となっています。
本展では、常滑の伊奈製陶(現LIXIL)でこれらの作品を制作した1952年に焦点をあててご紹介します。
主な展示物
《顔》│《顔》の釉薬テストに用いられたマケット(試作)│《太陽の神話》の原画│
写真:常滑での制作風景│タイル画《太陽の神話》《創生》《ダンス》と陶彫《顔》に関する雑誌記事、伊奈製陶社内報、製品型録などの資料
会期 | 2023年1月14日(土)~3月14日(火) |
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会場 | INAXライブミュージアム「窯のある広場・資料館」2階 |
休館日 | 水曜日(祝日の場合は開館) |
観覧料 | 共通入館料にて観覧可 (一般:700円、高・大学生:500円、小・中学生:250円) |
主催 | INAXライブミュージアム |
企画 | INAXライブミュージアム企画委員会 |
協力 | 公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団、川崎市岡本太郎美術館、髙島屋史料館 |
会場グラフィック | 宗利淳一 |
見どころ
展示風景
関連情報
◎愛知県美術館
「展覧会 岡本太郎」にちなんだスタンプラリーを開催
https://taro2022.jp/about/
◎とこなめ陶の森
「常滑の岡本太郎1969」と題したミニ展示を開催
https://www.tokoname-tounomori.jp/