オリエントのタイルについて
紀元前数千年の時代、砂漠の続くエジプトやメソポタミアでは、王や神への畏敬の念から、人々は不可能を可能にするほどの試行錯誤と労力によりピラミッドや神殿を装飾した。メソポタミアでは、単調な土の壁を装飾するために、頭部を着色した円錐形のやきもの(クレイペグ)を何万本もつくって、土壁の表面に並べ、幾何学模様を描き出すことに成功した。エジプトでは砂から青色のタイルをつくり、王の魂の再生を願った。
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- 粘土釘
- メソポタミア
前4~3千年
最小:径11 長48 最大:径23 長108(mm)
これを使った壁面文様が、モザイク装飾の始まりと言われている。
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- 施釉タイル
- エジプト、サッカーラ
第三王朝期(前2682~2613年頃)
60×37×12(mm)
エジプト、サッカーラにあるジェセル王のステップピラミッドの地下の通廊壁画に使用されていた。世界で最初の施釉タイルと推測される。左側の写真はタイルの裏面。
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- 施釉タイル
- アッシリア
前8~7世紀
332×327×80(mm)
アッシリアのテラコッタタイル。半獣半人のスフィンクスが描かれている。