世界のタイル事典 no.11
『日本のタイルの曙─寺院の敷瓦から瀬戸の本業敷瓦まで』

鎌倉時代から明治時代にかけてつくられた、日本のタイルをご紹介します。
日本では、中国の建築様式に基づいて建てられた寺院建築で初めてタイルが用いられ、鎌倉時代以降の禅宗寺院の本堂には、瓦色の釉薬の掛かったタイルが敷き詰められました。このタイルは“敷瓦(しきがわら)”と呼ばれ、床タイルの原形と考えられています。
明治時代に入ると、ヨーロッパから輸入されたタイルの影響を受け、日本各地のやきもの産地でタイル制作が始まります。特に瀬戸では、陶器質の材料で手づくりされた“本業敷瓦”と呼ばれるタイルが制作され、日本で最初の本格的なタイルとして、建物の水まわりの壁や床に張られ、活躍しました。
写真は本業敷瓦です。当時、日本で流行していた白地に青の文様が入った染付技法で描かれています。

[INAX REPORT No.189より転載] ■掲載誌面PDFをダウンロード