世界のタイル事典 no.9
『19世紀 女王陛下のタイル』

さまざまな種類の装飾技法を持つ、ヴィクトリアン・タイルをご紹介します。
イギリスでは19世紀のタイルの工業化に伴い、多くの装飾技法が確立され、象嵌タイルや銅板転写タイル、チューブライニングタイル、レリーフタイルなどがつくられました。
なかでもチューブライニングタイルは、図柄の輪郭を金型で成形し、その内側に色釉を入れて焼成するのが特長です。
色釉の透明感が他に類を見ないほど美しく、特に銅を使って発色させた深い緑は「ブリティッシュ・グリーン」と呼ばれ、今なおイギリス人に愛されています。

[INAX REPORT No.187 より転載] ■掲載誌面PDFをダウンロード