世界のタイル事典 no.5
『イスパノ・モレスク様式 クエンカ・タイル』

スペインで独自に生み出された芸術様式、イスパノ・モレスク様式のタイルをご紹介します。
このタイルは、型で輪郭をつくって文様部分を凹ませ、そこに色釉薬を詰めて焼成するという“クエンカ技法”が用いられています。この型押しの技法によってタイルの量産が可能になり、同じ柄のタイルが繰り返し使用されるようになりました。
スペインにあるアルハンブラ宮殿の壁や床にも使用されているといわれ、同宮殿は多くのクエンカ・タイルによって華やかに装飾されていることになります。

[INAX REPORT No.183 より転載] ■掲載誌面PDFをダウンロード