スペイン

8世紀から10世紀にかけて、イベリア半島に上陸したイスラーム教徒はこの地に高度な芸術・文化をもたらし、15世紀末以降のキリスト教の支配下でもその芸術・文化は継承される。スペインの街は今もアルハンブラ宮殿に代表されるイスラームの芸術・文化を色濃く残しているが、タイルも幾何学模様などのイスラーム様式のものが16世紀頃まで続く。その後、イタリアのマヨリカ陶器の影響を受けた、白地多彩の図柄が描かれたスパニッシュ・マヨリカタイルが生まれ、庶民の間でも使われ始めた。

多彩幾何文クエンカタイル

多彩幾何文クエンカタイル

グラナダ
14~15世紀
内寸 206×202(mm)

異なった色釉が混ざらないように、模様の輪郭を押型で畝状につくり焼成している。

多彩組絵タイル

多彩組絵タイル

【スパニッシュ・マヨリカ】
調理器具と野菜図(19世紀)
内寸 450×302(mm)

錫釉の下地に草花、静物、果物、人物などが明るい色彩で描かれた。

白地藍彩銘文タイル

白地藍彩銘文タイル

16世紀

中国や日本の染付磁器が伝来し、その影響を受けてつくられた。

スペインのタイル