
青
──空と水とやきものの始まり
基本情報
発行日 | 2011年11月 |
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定価 | 1,650円(本体1,500円) |
体裁 | B5判・並製・64頁 |
ISBN | 978-4-87275-411-7 |
書籍内容
美しい空や海の青を手に入れたい──それは人類が古代から抱く願望でした。現代でも、青はヨーロッパおよび日本において、好きな色として不動の人気を得、衣服やプロダクト製品に広く使われ、企業のコーポレートカラーも青に染め上げられています。本書は、人類が追い求めた青の歴史をふまえながら、その魅力を俯瞰した一冊です。
人類史を遡ると、青の獲得は険しい道のりであったことがわかります。絵画の世界では、中世よりウルトラマリンブルーの絵の具が登場し、「空や海の青」をキャンバスに定着させることが可能になります。しかし、著名なフェルメールの作品や一部の宗教絵画など、青の使用はごく限られたものでした。その原料であるラピス-ラズリは人類に最も古く認知され利用された鉱物ですが、現在のアフガニスタンをはじめ地球上の数カ所でしか採掘できず、金と並ぶ高価な鉱物でした。こうしたエピソードを含め、服飾、絵画史、紀元前2600年に誕生した青いタイルからイスラームの青、そして染付磁器と、青の魅力につき動かされ人類が生み出したさまざまな青を、美しい写真とともに紹介します。
目次
- 青い風姿 写真=梶原敏英+中村脩+林道子+大川裕弘+佐々木光
- 服飾史における青の断片 林央子
- 絵画のなかの青 小林康夫
- [対談]ラピス-ラズリが世界を動かした 堀秀道×降旗千賀子
- イスラームの青──トルコアーズ・ブルーとコバルト・ブルー 岡野智彦
- 青色のエジプト・ファイアンス・タイルの秘密 後藤泰男
- 染付磁器──人間のつくった瑠璃色の輝き 荒川正明
- 空気や海水はなぜ青く見えるのか 武田康男
- 「水が青く見える」実験装置