
日本の白い壁
──石灰がつくり出す多様な世界
基本情報
発行日 | 2012年10月 |
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定価 | 1,650円(本体1,500円) |
体裁 | B5判・並製・64頁 |
ISBN | 978-4-86480-901-6 |
書籍内容
白い壁のある建物は、いつも特別な存在でした。別名「白鷺(しらさぎ)城」で知られる姫路城をはじめ、法隆寺や薬師寺、唐招提寺など、日本を代表する城郭や寺院の壁は、石灰を原料にした漆喰(しっくい)仕上げになっています。江戸時代の浮世絵に描かれた日本橋周辺に建ち並ぶ蔵も、すべて白でした。 白い壁は、火や水に強いことに加え、明るさと美しさと神々しさを兼ね備たものだったでしょう。原料の石灰は入手しにくい貴重品で、しかも手間のかかる漆喰仕上げの壁は人びとの憧れであるとともに、権力や富の象徴でもありました。
はるか昔から日本の建築になくてはならないものであった漆喰ですが、建築工法の変化から、今はその優れた機能も忘れ去られつつあります。本書では白い壁が果たしてきた役割、そしてその原料である石灰のこれまで知られてこなかった多様性を美しい写真で紹介していきます。
目次
- 描くための白い壁、描かれた白い壁
- 近代の白──明治・大正・昭和の白の建築
- 日本建築の白 藤井恵介
- 左官職人・浅原雄三が語る、白に宿るもの 花島敦子
- 石灰プロフィール 永峰美佳
- [コラム]近代の工場
- [コラム]賢治と石灰
- すごいぞ石灰、人類を陰で支える魔法の石 佐野由佳
- 日本「鏝絵、なまこ壁」博覧会 藤田洋三+永峰美佳