衛星画像をタイルに焼付ける
INAXライブミュージアム「ものづくり工房」では、高解像度の写真を高温でタイルに焼き付ける“フォトタイル”を開発中です。耐水性、耐候性に優れたタイルに写真を焼き付けることで、屋外でも写真展示を楽しむことが可能になります。 今回このフォトタイルの技術を用い、JAXA宇宙航空研究開発機構の陸域観測衛星「だいち」が観測した画像データを用い、プロダクトやアートを開発するプロジェクト「Share a piece of the earth」に参加し、丸の内地球市民ギャラリーでの展示を行いました。 『提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)』
今回の展示は、「宇宙から見た 世界のタイル文化史」と題し、タイルに関係の深い都市、6都市の衛星画像フォトタイルと、その都市を代表するタイル:INAXライブミュージアム 世界のタイル博物館収蔵のコレクションタイルを併せて展示いたしました。 エジプト・イラン・スペイン・オランダ・イギリスそして常滑。 衛星画像の美しい各地域の色と、その場所から生まれたタイルの色。 それらは非常に美しいコントラストを生みだしました。
古代エジプトのピラミッド(B.C.2650)の地下空間は宝石のようなトルコ石ブルーのタイルで覆われていました。人の“装飾する魂”を、壁や床に生かし、表現する手段として用いられたタイルは、その後イスラーム帝国の装飾文化を彩りながら北アフリカを経由してスペインに伝わります。やがて、地中海を越えてヨーロッパ中に拡大し、17世紀大航海時代のオランダ、あるいは19世紀ヴィクトリア女王統治時代のイギリスの繁栄のなかで近代化を迎え、タイル文化は世界中に広まりました。 このようなタイル文化発展の歴史を刻んだ地域をJAXAの地球観測衛星「だいち」で辿り、宇宙から見た画像をタイルに焼き付けました。乾燥した台地に誕生した水色のタイル、風と水の王国オランダのブルー&ホワイトのタイル、イギリスの人々が愛したブリティシュグリーンのタイル・・・それらはいずれもその地域の持つ色合と深い関係があるようです。