INAXライブミュージアム 世界のタイル博物館 INAX TILE MUSEUM

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企画展(1階 企画展示室:入場券必要)

【2005年】「ハンガリーの建築タイル紀行展」−ジョルナイ工房の輝き−
2005年11月5日(土)〜2006年1月29日(日) 

19世紀末のハンガリーの首都、ブダペストにおいて急速な都市化が進み、建築家はやきものの工場と連携して装飾を凝らした数々の建物を残していきました。ジョルナイ工房はその担い手のひとつで、耐凍害性の彩釉テラコッタやメタリックな輝きを持つエオシン釉を開発しました。本展では、ジョルナイ工房で制作されたこれらの建築陶器を建物写真とともに紹介します。



会期

2005年11月5日(土)〜2006年1月29日(日)

時間

10:00AM〜5:00PM(入館は4:30まで)

会場

世界のタイル博物館 1階

休館日

毎週月曜日


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1853年、ハンガリー南部の古都ペーチュで創業した陶磁器工房、ジョルナイ。セラミックに魅せられたジョルナイ・ファミリーはそれぞれの才能と高度な技術によって、半世紀の間に、今なお続くハンガリーのタイル文化を築き上げました。寒さに強く、色鮮やかで、光沢を放つジョルナイの建築セラミックは、世紀末の輝かしいハンガリー建築を支え、レヒネル・エデン、ライタ・ベーラら多くの建築家たちの作品を美しく飾りました。一世紀あまりの時を経た今もハンガリーの街並みを艶やかに彩っています。
本展では、ジョルナイ工房の歴史を辿りながら、彼らがつくりあげてきた建築セラミックの技術や意匠を、ハンガリーの建築芸術が凝縮し、街全体が世界遺産のブダペストと、タイルが生まれた街ペーチュを中心に紹介し、多様な建築の内外を覆う、華やかで個性的なあしらいに、タイルという素材の可能性を感じとることができます。

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19世紀末のエオシン釉のタイル


気候が厳しく、石材も乏しいハンガリーでは、工業化が進んだ19世紀、セラミックが建材としての魅力を発揮するようになります。ジョルナイ工房の発展はこのような中で起こりました。彼らが開発した、耐凍性の外装用セラミックは「ピログラニットpyrogranite」と名付けられ、ハンガリーでは建築用セラミックの代名詞となっています。さらに玉虫色に光輝く「エオシン釉 eosin glaze」の誕生は、当時の建築家たちの想像力を刺激し、セラミックの可能性を実感させました。その一人がレヒネル・エデンであり、ジョルナイ工房との共同作業によって、マジャールの民族性を意識したレヒネルの代表作、応用美術館を筆頭にハンガリー独自のアールヌーヴォー建築を築いていきました。ジョルナイの歴史は、こうした新興、栄華のときを経て、1948年の国営化による危機を乗り越え、95年に再び民営化され今も操業を続けています。

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国立応用美術館の屋根飾り



会場では、レヒネルの傑作でジョルナイ製の、応用美術館と地質学研究所などを飾った鮮やかな色あいと有機的な造形の建築セラミック、またジョルナイ工房の作品を国内外に紹介してきた応用美術館セラミック部門主任学芸員チェンケイ・エーヴァ氏が厳選した、壁や家具、暖炉用のジョルナイ・タイル・コレクション10数種(19世紀末前後の製作)を実物で紹介します。美術品のごとく丁寧に作られた一枚一枚が、当時の技術の高さとセンスの良さを醸し出しています。現在の製品からは、修復用につくられた青と白が映える屋根瓦、艶かに輝くエオシン釉のタイルの数々を展示し、会場全体に総数100点ほどのセラミックが並びます。その他、工房の敷地内に点在する往時の作品や、ブダペスト、ペーチュで今でも存在感を放つ、新旧の建築タイルの意匠を豊富な撮り下し写真で紹介しながら、ジョルナイ工房のタイルのあらたな可能性を探ります。あらためてセラミックの魅力と魔力を伝え、ハンガリーの街並みを旅したくなる会場づくりにご期待ください。


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地質学研究所の陶板


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