白や黒のモノトーンで、大型機械や車輪の一部を思わせる構成の作品は、ダイナミックで合理的なフォルムが魅力的で、陶表現にあらたな一歩を刻んだことを感じさせてくれます。
会期 |
2007年7月10日(火)〜8月5日(日) |
時間 |
10:00AM〜6:00PM(入館は5:30PMまで) |
第1会場 |
世界のタイル博物館 1階 企画展示室 |
第2会場 |
陶楽工房 陶楽ギャラリー |
休館日 |
7月18日(水) |
■アーティスト トーク&オープニング パーティー
7月10日(火)※終了しています
5:00〜6:00PM 南野 馨さんによるアーティスト トーク
6:30〜7:00PM オープニング パーティー |
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鉄の重厚で硬質なイメージ、アルミの白くメタリックな輝き、ボルトやナットの端正なかたち。金属素材がつくるものには、合理的なフォルムだけでなく、冷たくシャープな風合いなど、質感の魅力もあります。車のスタイルや内部の構造の美しさ、鉄道車のダイナミズムも、こうした素材感によるところもあるのでしょう。
南野馨さんも、金属に魅せられた一人です。ただし、金属そのものを加工して作品をつくるのではなく、陶土、やきものという手法を使って、金属の存在感を生み出し、工場にあるような大型機械や部品、橋梁のような構造物を連想させる独特のかたちをつくり出します。
1点の作品のサイズはおおよそ2m四方。50cmの円盤を繋いだ歯車状のかたち、ジグザグに組んだ橋脚のようなかたちなど、鉄を組み合わせてつくっているように硬質で重厚に見せながら、ほとんどがたった一人の手になるシステマチックな組み立てで、「南野馨ひとり工場」から生み出されます。
画廊空間いっぱいに組み立てられたかたちは、堂々たる風貌で、圧倒的な存在感があります。しかし、近くに寄って行くと遠目の印象とは違い、どことなくほっとするような温かみが感じられます。よく見ると、定規をあてたような直線にわずかな歪みがあったり、完璧な平面がどことなく撓んでいたり、目に留まらないほどの差異がニュアンスを醸しだしていて、やきものならではの独特の雰囲気を生み出しています。
南野さんは大阪芸術大学を卒業後、関西を中心に発表をされ、現在は大阪芸術大学で後進の教育にもあたっています。
今展は、6月に東京・銀座のINAXガレリアセラミカ スペースリニューアルの第一弾として発表後、INAXライブミュージアムで新作を加えてご覧いただきます。
[プロフィール] |
1966年 |
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大阪府豊中市生まれ |
1987年 |
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浪速短期大学デザイン美術科工芸専攻卒業 (現 大阪芸術大学短期大学部デザイン美術学科) |
1989年 |
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大阪芸術大学芸術学部工芸学科陶芸専攻卒業 |
1990年 |
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大阪芸術大学芸術学部芸術専攻科工芸専攻修了 |
1990.4〜1992.3 |
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大阪芸術大学工芸学科陶芸研究室非常勤副手 |
1993.4〜1994.9 |
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滋賀県立陶芸の森創作研修館研修作家 |
1995.4〜2000.3 |
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財団法人滋賀県陶芸の森創作研修課非常勤嘱託員 |
1996.4〜1997.3 |
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大阪ビジュアルコミュニケーション専門学校 (現 大阪写真映像専門学校)非常勤講師 |
1998.4〜1998.12 |
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京都市芸術文化協会アートアクション京都(現 京都芸術センター) 事務局コーディネーター
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1999.4〜2000.3 |
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京都造形芸術大学通信教育部臨時職員 |
2000.2 |
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京都造形芸術大学通信教育部非常勤講師 |
2002年 |
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第13回秀明文化基金賞受賞 |
2003.4〜2007.3 |
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滋賀県工業技術総合センター信楽窯業技術試験場 デザイン開発業務嘱託 |
2000.4〜現職 |
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大阪芸術大学芸術学部工芸学科非常勤講師 |
2006.4〜現職 |
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武庫川女子大学生活環境学部建築学科非常勤講師 |
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[個展] |
1990〜94、96、97、99、
2002、2004〜2007年 |
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ギャラリー白(大阪) |
1992年 |
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ギャラリー古川(東京) |
1993、99年 |
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ART SPACE JONAISAKA(栃木県益子町) |
2000年 |
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滋賀県立草津文化芸術会館(滋賀) |
2003年 |
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ギャラリー陶園(滋賀県信楽町) |
その他、グループ展、公募展多数