渡辺さんの作品は、土を焼いたオブジェをいくつも配置しながら、それらを見る者が奏でることで、大地にある音をも感じることができます。オブジェでありながら、声音を響かせるような、木魂をうたうような楽器であることが特徴的です。自然のなかで、学校や地域のそこここで、奏でるやさしく柔らかな音に思わず聴きほれてしまいます。
会期 |
2005年10月10日(月)〜10月30日(日) |
時間 |
10:00AM〜5:00PM(入館は4:30まで) |
第1会場 |
世界のタイル博物館 1階 企画展示室 |
第2会場 |
陶楽ギャラリー/世界のタイル博物館隣 陶楽工房内 |
休館日 |
毎週月曜日 |
■アーティスト・トーク ※終了しています
10月10日(月)
16:00〜17:00 渡辺 泰幸さんによるアーティストトーク
17:00〜17:40 作品を使っての演奏会(奏者:永田砂知子さん)
17:40〜19:00 オープニングパーティー |
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渡辺さんは、2003年「越後妻有アートトリエンナーレ」に参加しました。彼は「十日町市土市」に通って、住民と一緒にワークショツプ形式で、土で音具「土の音」をつくりました。同じ形状のものをベースに、アンパンマンの顔になっていたり、メッセージが彫られていたり、つくる人によって様々な想いが込められた「土の音」は、山の中にレンガを敷いた上で野焼きをし、小高い丘に同心円状に配置されました。制作した子どもなのか、遊びに来た子どもなのか、飽きずに奏でて、森にやわらかな音が響いていた光景が印象的でした。
もともと渡辺さんはデザイン専攻でしたが、こうしたやきものの作品をつくるようになったきっかけは、「音がでるものが楽しい。自分も皆も楽しめるものがつくりたかった。」からです。また、触って楽しめることも大切な要素でした。
当初はそうした素朴な想いだけでつくり始めましたが、やがて、見る人がバチで音をだすことによって一期一会だったコミュニケーションが広がり、深まり、今では演奏家が加わるようになって、渡辺さんの音具は幅広い広がりをみせています。
「土を使う仕事は、本来個人ではどうしようもできない部分を含んでいます。個人の内面から発するものだけでなく、外来的なすべてを巻き込み、変化し続けるところに、色々な人たちと共同制作することの面白さを感じています。すべてをつくるのではなく、また、すべてをまかせるのではない、中間的な部分で仕事をすることによって、ぼくの仕事は、人々の個性を広げる可能性を持っているのではないでしょうか。」と語る渡辺さん。
森や山だけでなく、都会の画廊やホールなど、環境によって異なる響きもまた、聞く人を捕らえてやまない「土の音」の魅力です。子どもは生命のエネルギーをぶつけるように強く叩いて高い音を立て、演奏家は繰り広げられる音のさみだれに、触発されてさらに音域を広げて行きます。
永田砂知子さんが渡辺氏の作品を使って演奏
渡辺さんの「土の音」を聞くとき、土の持つ豊かな生命力、その土をつくった山や森や水の太古から続く輝き、そして窯の炎や、熱や、はぜる音まで響いてくるような感動を憶えます。
今展では、博物館展示室に触って転がして音を立てる球状の土鈴を、陶楽ギャラリーには叩いて音を出す作品の2点を展示します。また初日オープニングでは、大正時代の煙突のあるレンガづくりの窯の中で、プロの演奏家によるミニコンサートも開催します。秋の夕べ、渡辺さんの土の音の調べにぜひ耳を傾けにご来場下さい。
来館者も展示作品で即興演奏会
1969年 |
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岐阜県生まれ |
1992年 |
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名古屋造形芸術短期大学専攻科修了 |
1995年 |
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滋賀県立陶芸の森に研修作家として滞在制作 |
[個展] |
1995年 |
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ウエストベスギャラリー (名古屋) |
1998年 |
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セルフーソウ アートギャラリー (大阪) |
1999年 |
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ギャラリーサンセリテ (豊橋) |
2000年 |
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Gallery Jin (東京) |
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愛知県児童総合センター (愛知県長久手町) |
2001年 |
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さぬきこどもの国 (香川県) |
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愛知県児童総合センター (愛知県長久手町) |
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ギャラリーF (岐阜県美濃加茂市) |
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みのかも文化の森 (岐阜県美濃加茂市) |
2002年 |
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ギャラリーサンセリテ (豊橋) |
[主なグループ展] |
1994年 |
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‘94朝日現代クラフト展<準グランプリ> (大阪、東京) |
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第32回朝日陶芸展 (名古屋) |
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サントリー美術館大賞展’94 挑むかたち (サントリー美術館/東京) |
2000年 |
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京都美術工芸展 (京都府文化博物館) |
1995年 |
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音感じる 見る 触れる展 (ラブコレクションギャラリー/名古屋) |
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第22回長三賞陶芸展 (常滑) |
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世界陶芸コンペティション・金沢 |
2002年 |
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京都府美術工芸新鋭選抜展〜新しい波〜 (京都文化博物館) |
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土・メッセージin美濃’95 (多治見) |
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第4回国際陶磁器展美濃’95 (多治見) |
1996年 |
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アートのかんずめ展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
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森で生れた作品展 アーティスト・イン・レジデンスから(滋賀県立陶芸の森陶芸館) |
1997年 |
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国際丹南アートフェスティバル’97 (福井県武生市) |
1998年 |
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空間振動「手・汗・力」展 (名古屋市民ギャラリー) |
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6個のアート展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
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学校が美術館 (名古屋市立千種台中学校) |
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第5回国際陶磁器展美濃’98 (多治見) |
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陶6人展(ギャラリー杉/瀬戸) |
1999年 |
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CDというメディアの饗宴 (神戸アートビレッジセンター) |
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Given ヲ 旧20号倉庫 (名古屋港) |
2000年 |
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Jin Session Small Works 2000 (Gallery Jin) |
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弐千年睦月展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
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2000現代美術小品展 (ギャラリーすずき/京都) |
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Loft ART Xmas(名古屋ロフト) |
2001年 |
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Jin Session Small Works 2001 (Gallery Jin) |
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弐千壱年睦月展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
2002年 |
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弐千弐年睦月展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
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日韓若手陶芸作家交流展 (滋賀県立近代美術館、信楽伝統産業会館) |
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美濃陶芸展 (多治見) |
2003年 |
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小さな宇宙服 vol.2 (市之倉さかづき美術館/岐阜) |
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弐千参年睦月展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003(新潟県十日町市) |
2004年 |
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弐千四年睦月展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
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アートキッズスクール (名古屋市民ギャラリー矢田) |
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ミノ・セラミック・ナウ2004 (岐阜県現代陶芸美術館) |
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「猿楽祭」代官山アートフェア2004(代官山ヒルサイドテラス/東京) |
2005年 |
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弐千五年睦月展 (ウエストベスギャラリー/名古屋) |
[パブリックコレクション] |
愛知県岩倉市シンボルロード「音のアート」モニュメント、愛知県児童総合センター、さぬきこどもの国、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003、大阪芸術大学博物館 |
[ワークショップ] |
愛知県岩倉市シンボルロード、学校が美術館、さぬきこどもの国、みのかも文化の森、滋賀県立陶芸の森、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003、アートキッズスクール、ミノ・セラミック・ナウ2004 |