建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展



展覧会案内

文字の博覧会 -旅して集めた“みんぱく”中西コレクション-展<br>A Treasury of Written Characters

文字の博覧会 -旅して集めた“みんぱく”中西コレクション-展
A Treasury of Written Characters

人類にとって最大の発明のひとつとされる文字。その奥深さに魅せられた中西亮(あきら)氏は世界でも稀有な文字ハンターとして多くの文字資料の収集をしました。本展では、“みんぱく”こと国立民族学博物館に収められた「中西コレクション」を中心に世界の様々な文字の魅力に迫ります。

A Treasury of Written Characters:
The Nakanishi Collection Amassed from World Travels at the National Museum of Ethnology


Osaka: 4 March-17 May,2016
Tokyo: 2 June-27 August,2016

Written characters are said to be one of humanity’s greatest inventions. While several thousand languages exist in the world, only about 300 writing systems are thought to exist, including those which are no longer in use. These writing systems have evolved mainly from three sources: Egyptian characters, cuneiform characters, and Chinese characters. Written characters not only give a visual form to sounds and meanings, they are in each case a crystallization of the ethnic culture which produced them, with a formal beauty and mystery all their own.
Akira Nakanishi (1928-94), the sixth generation head of Nakanishi Printing Company in Kyoto, was a man of rare distinction in the world: a “character hunter.” Driven by his deep curiosity about little known written characters, Nakanishi visited over 100 countries during 25 years and collected nearly 3,000 specimens. The specimens, representing 95 different types of writing systems, are preserved as the “Nakanishi Collection” at the National Museum of Ethnology.
This exhibition displays some 80 specimens of written characters from throughout the world, primarily from the Nakanishi Collection. The specimens are organized in sections reflecting the Middle Eastern and European cultural spheres, Indian and Southeast Asian cultural spheres, Chinese (East Asian) cultural spheres, and so on. In valuable inscriptions, visitors can marvel at the diversity of written characters and rich creativity of the people who created them. To enable a sense of Nakanishi’s boundless passion for collecting characters, furthermore, a portion of his great many travel albums are displayed, as well. Visitors, it is hoped, will enjoy discovering the vastness and variety of the world of written characters.
We wish to express our sincere gratitude to the National Museum of Ethnology, Nakanishi Printing Company, and Hidehiko Nakanishi for their generous cooperation. We would also like to convey our appreciation to all the individuals whose efforts have made this exhibition a reality.

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ギャラリー1(東京): 2016年6月2日(木)〜8月27日(土)
□Closed:水曜日/Wednesday、8/10-17
□AM10:00〜PM6:00
□入場無料/Free
ギャラリー大阪: 2016年3月4日(金)〜5月17日(火)
□Closed:水曜日(祝日は開館)/Wednesday(excluding holidays)
□AM10:00〜PM5:00
□入場無料/Free


展示品 リスト BOOKLET
講演 会「文字学の楽しみ」(大阪)
講演 会「文字ハンターとの旅 -文字の魅力と私のタイポグラフィ-」(東京)
展示会概要
文字の博覧会

グラゴル文字
グラゴル文字を19世紀まで用いていた、クロアチアのクルク島のグラゴル文字刻文石片で、島の有力者について記してある。

文字の博覧会

ペルシャ文字
ナスタアリーク体で書かれた、ペルシャの詩人ニアーズの自筆書。神の名前のほか「40回読めばいいことがある」などと記されている。

文字の博覧会

バタク文字
薬(呪薬)を入れる容器。インドネシア、スマトラ島のトバ・バタク民族が用いる文字。

文字の博覧会

西夏文字
西夏陵出土墓誌銘断片拓本。11−13世紀(拓本は現代)。西夏文字は李元昊(りげんこう)が宋の西北部に西夏国を建てた際、西夏語を表す正式な文字として公布された。1227年に蒙古に敗れた後に西夏文字も消え今は使われていない。




すべて所蔵:国立民族学博物館
すべて撮影:佐治康生
*画像をご使用の方はLIXILギャラリーまでお問合せ下さい。


刻まれた文字から湧き出る
人々の創造力




人類にとって最大の発明のひとつとされる文字。その奥深さに魅せられた中西亮(あきら)氏は世界でも稀有な文字ハンターとして多くの文字資料の収集をしました。本展では、“みんぱく”こと国立民族学博物館に収められた「中西コレクション」を中心に世界の様々な文字の魅力に迫ります。

見どころ

現在、世界中には数千の言語があるとされていますが、文字の種類はそれほど多くはありません。すでに使われなくなった文字も含め300ほどと考えられています。それらは主に、エジプト文字、くさび形文字、漢字の3つを起源として発達してきました。文字は音や意味を形にするだけでなく、字形独自の不思議さや美しさが表れた各民族の文化の結晶とも言えます。
京都にある中西印刷株式会社の6代目、中西亮(あきら)氏(1928-94)は未知なる文字への探求心から25年の間に100を超える国々を旅して3,000点近くの文字資料を収集しました。亡くなるまでに集めた文字は95種類にも達し、現在、これらの資料は国立民族学博物館に「中西コレクション」として所蔵されています。
本展では、そのコレクションを中心とした世界の文字資料約80点を、中東・欧州文字文化圏、インド・東南アジア文字文化圏、漢字文化圏(東アジア)などのコーナーに分けてご覧いただきます。貴重な手稿からは豊かな文字の多様性や人々の創造性が伝わってきます。また、書写媒体に注目すると、竹筒や椰子の葉、樹皮、布、紙、粘土板など様々なものに書かれており、素材や筆記具の違いが文字の形に影響を与えたことが分ります。中西氏については膨大な旅のアルバムから一部を紹介し、同氏の文字収集にかける情熱に触れていただきます。
本展をとおして多彩な文字の世界をお楽しみいただければ幸いです。

 
<中東と欧州の文字>
古代都市で生まれ現在も使用されている文字は、西アジアやヨーロッパなどに多く存在しています。ヘブライ文字は、現在のイスラエルに当たる地域で1世紀前後に作られました。その後国とともに滅びましたが、1948年にイスラエル共和国が成立すると公用語として復活します。同じく中近東でイスラム文化の国々はアラビア文字を使用しています。それはイスラム教の聖典「コーラン」を記すただひとつの文字であるため、広く世界に広がりました。3000年以上の歴史があるギリシャ文字は、古代ギリシャ文明の頃に用いられた文字体系がほぼそのまま今も使われています。そのギリシャ文字が元になって生まれたのがラテン文字です。ラテン人が造った都市国家ローマは、その後巨大帝国となり、文字も西ヨーロッパの隅々にまで広がりました。現在では、多くの国の様々な言葉を表す文字として世界中で使われています。ここでは、歴史的に貴重で美しい手写本の数々をご覧いただけます。

<インドと東南アジアの文字>
多民族国家のインドでは、州によって言葉や文化が大きく異なります。その中から基本となるヒンディー語を表すデーヴァナーガリー文字や南部タミルナードゥ州で使われるタミル文字などを紹介します。世界一の多文字国家といわれる一端をご覧ください。
東南アジアの文字は、インド系文字をさらに発達させたもので、いずれも丸いカーブに特徴があります。インドネシアのスマトラ島で用いられるバタク文字は、竹筒や樹皮に書かれることが多く、文字以外の部分には動植物の見事な装飾が施されています。
 
<漢字文化圏(東アジア)の文字>
少しずつ形を変えながらも、古代文字が現在まで使われているのは漢字だけです。ここでは日本で梵字と呼ばれる悉曇(しったん)文字、漢字の影響を受けた西夏文字、インド系文字をもとに初代の王が作らせたチベット文字などをご覧いただきます。西夏文字は漢字とそっくりですが、文字の意味や形を漢字から借りたものはほとんどありません。国が亡びると同時に西夏文字も消えていきました。
 
<中西亮の文字の旅>
中西氏の文字を訪ねる旅の様子は、当時のアルバムで披露します。そこには各地の写真の他、手書きの地図や工程表も書き添えられ、新聞や切手、紙幣までも貼り込むなど旅で出会うあらゆる文字を収集していたことが分かります。

展示にあたり、国立民族学博物館はじめ関係の皆様には多大なるご協力を賜りました。この場をかりて厚くお礼申し上げます。



[企  画]
LIXILギャラリー
[制 作]
株式会社LIXIL
[特別協力]
国立民族学博物館(みんぱく)
[協 力]
中西印刷(株)、中西秀彦

BOOKLET
文字の博覧会-旅して集めた“みんぱく”中西コレクション-
『文字の博覧会-旅して集めた“みんぱく”中西コレクション-』

2016年3月10日発売
定価:1800円(税別)  LIXIL出版
会場風景
文字の博覧会
文字の博覧会

文字の博覧会

文字の博覧会

2016年 大阪会場写真





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