建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展



展覧会案内

タイルが伝える物語-図像の謎解き- 展<br>Stories Told by Tiles

タイルが伝える物語-図像の謎解き- 展
Stories Told by Tiles

Stories Told by Tiles – Understanding Icons


室内外を華やかに飾るタイルは、耐久性があり、量産も可能なため、古くより世界でさまざまな文様が生み出され、かつ身近な建材として発展しました。本展では、タイルの装飾性だけでなく大衆へのメッセージを含んだ「メディア」としての機能に着目し、描かれた文様の意味や物語を読み解きます。

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ギャラリー1(東京): 2014年12月4日(木)〜2015年2月21日(土) 休館日:水曜日、年末年始□10:00〜18:00 □入場無料
ギャラリー大阪: 2014年9月4日(木)〜11月18日(火) 休館日:水曜日□10:00〜17:00 □入場無料


展示品 リスト
対談「中国タイルと物語―悠久の歴史を読み解く」(大阪)
講演会「タイルに描かれた物語‐ペルシアの神話と恋物語を読み解く‐」(東京)
展示会概要
タイルが伝える物語

19世紀イギリス 陶板「ダラム大聖堂」
イングランド東北部ダラム州に1093 年に創建され、現在もキリスト教信仰の中心地と しての地位を保っている。

タイルが伝える物語

20世紀イギリス 単彩レリーフタイル「レディ・ハミルトン」
18世紀後半に実在したエマ・ハミルトン(1765−1815)を当時の画家ジョー ジ・ロムニー(1734−1802)が描いた肖像画をもとに制作した単彩レリーフタイル。

タイルが伝える物語

17〜20世紀中国 染付陶板「桃源図」
桃源郷への旅を主題とした図柄。




所蔵:すべて世界のタイル博物館
*画像をご使用の方はLIXILギャラリーまでお問合せ下さい。




土を焼いて作られるタイルは人類の文明とともに発祥し、古来、様々な国と地域で建築を豊かに彩ってきました。古くは古代メソポタミアの神殿の壁を円錐形のやきもので装飾し、エジプトのピラミッドでは、ファラオの魂に捧げる空間の壁一面を、トルコ石の色をした美しいタイルで覆い、飾りました。 時代が進むと、かつて神聖な建築や空間を飾ったタイルは次第に人々の暮らしのなかで使われるようになり、壁や床を装飾するだけでなく、視覚的イメージを共有するためのメディアとしての機能を持ち始めます。いち早くタイルの普及をみた17〜18世紀のオランダでは、聖書の一場面を描いたタイルを壁や暖炉に張り、それを子どもに見せながら、家庭で宗教教育を施しました。中国やイスラーム諸国では、教訓や理想を描いたタイルが数多く作られ、19世紀のイギリスでは、豊かな暮らしを謳歌する人々が、当時獲得した新しい文化を思いおもいに発信するためのメディアとなるなど、人々の身近にあるタイルがメッセージや物語を伝える役割を担うようになったのです。 本展では、INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」に収蔵する、紀元前から近代までの装飾タイルコレクションをひも解き、これまでにない「物語や教訓、信仰、文化を発信するメディア」という観点から選び出したタイル約70点を、描かれた物語やメッセージとともに紹介します。それらのタイルを通じ、国や地域によって異なる様々な生活文化をも読み取ることができます。美しさや装飾性にとどまらない、タイルの奥深い魅力に触れる本展に、どうぞご期待ください。


見どころ

@西洋のタイルから
西洋では、聖書を題材にしたタイルが多く作られました。その中でも「ハガルの追放」を題材にしたものでは、19世紀オランダのマンガン彩組絵タイルとドイツのKPM(王立磁器製作所)ベルリン窯で作られた陶板を同時にご覧いただけます。オランダらしい柔らかな図案と極彩色の高度な技術で制作されたKPMの陶板をご鑑賞いただけます。また同じく聖書からは、「創世記」や「ヨハネによる福音書」などのお馴染みの物語を主題に作られたオランダのデルフトタイルも紹介します。
一方、近代イギリスでは、私的な社交場の役割を担った家庭の暖炉まわりにタイルが多く用いられました。「イソップ物語」やシェイクスピアの戯曲といった物語、旅行ブームを反映した観光地の風景など、家庭で行われていた宗教教育や当時の生活文化が垣間見られるタイル31点を展示します。
 
A中国のタイルから
古くからやきものが発達していた中国では、独自のタイルが多く残されています。中でも、れんがのことを塼(せん)と呼び、建物の基壇、階段、床面、壁面のほか、墓室にも使用され、孝行の模範となる人物たちの逸話などをレリーフや絵画にして飾られました。
今回は、24人の孝行息子の説話集「二十四孝」を刻んだ貴重な画像塼(がぞうせん)が8点登場、宋代の儒教思想を反映した世界観が広がります。
そのほか、桃源郷を主題とした染付陶板や、イギリス人陶芸家 バーナード・リーチ(1887-1979)による、漢代の画像石をモチーフにした陶板などを含めた23点を展示します。

Bイスラームのタイルから
イスラーム教の戒律がゆるやかになると、人物を描いたタイルが登場し、宮殿などの私的空間の壁を飾りました。 詩人ニザーミーが詠んだ長編ロマンス叙事詩「ホスローとシーリーン」や、美男の預言者ユースフとエジプト高官の妻ズライハの恋を描いた「ユースフとズライハ」など15点を紹介します。鮮やかな色彩で物語や人物を描いたタイルは見ごたえも十分あり、人物の表情や華やかな衣装、背景の模様などから、イスラームの生活文化を伺うことができます。


展示にあたり、関係の皆様には多大なるご協力を賜りました。この場をかりて厚くお礼申し上げます。



[企 画]
INAXライブミュージアム企画委員会、LIXILギャラリー
[制 作]
株式会社LIXIL
[展示デザイン]
株式会社ゼロファーストデザイン


INAXライブミュージアム Tile Folio
タイルが伝える物語
『タイルが伝える物語 -図像の謎解き-』
会場にて発売中!
定価:760円(税別)  LIXIL出版
会場風景
タイルが伝える物語
タイルが伝える物語
タイルが伝える物語
タイルが伝える物語

2014年9月 大阪会場写真
撮影:南野 馨





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