建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展



展覧会案内

集落が育てる設計図‐アフリカ・インドネシアの住まい‐ 展<br>A House Design Fostered by the Village

集落が育てる設計図‐アフリカ・インドネシアの住まい‐ 展
A House Design Fostered by the Village

A House Design Fostered by the Village--Houses in Africa and Indonesia


東京大学生産技術研究所の藤井明研究室(建築計画学)では、40年にわたり世界の伝統集落や住居の調査・研究を行ってきました。
その中から住居づくりの原点である「土」からなるアフリカと、「木」からなるインドネシアの住まいを、また民族ごとに異なる住まいのあり方をご紹介いたします。

プレスリリースpdf_icon_s.gif PDF 460KB ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

ギャラリー1(東京): 2013年3月6日(水)〜2013年4月13日(土) 休館日:日祝日(4/7は開館いたします)□10:00〜18:00(4/5-13は19:00まで) □入場無料
※本展覧会はINAXライブミュージアム 「土・どろんこ館」へ特別巡回いたします。詳しくは⇒コチラから
ギャラリー大阪: 2012年12月7日(金)〜2013年2月21日(木) 休館日:水曜日、12/29-1/6、1/30-2/6□10:00〜17:00 □入場無料


展示品リスト BOOKLET
鼎談「集落調査の40年−民族の住まいを見つめて」(大阪)
講演会「集落調査の40年−民族の住まいを見つめて」(東京)
展示会概要
集落が育てる設計図

カメルーン・マンダラ山地に住むヒデ族の住居

集落が育てる設計図

インドネシア・スラウェシ島に住むサダン・トラジャ族の住居



写真提供すべて:東京大学生産技術研究所藤井研究室


受け継がれてきた居住文化
40年のフィールドワークからみえる
アイデンティティの記録



東京大学生産技術研究所の藤井明研究室(建築計画学)では、40年をかけて世界の伝統集落や住居の調査・研究を行なっています。その範囲は地中海、中南米、東欧・中東、インド・ネパール、西アフリカ、東・東南アジア、南太平洋の地域に広がり、同研究室には現在までに50ヶ国以上、500の集落のデータが蓄積されています。この広範囲にわたる調査からは、類似した風土の中でも民族や集落によって住まいの形に大きな違いが見られることがわかってきました。風土による環境条件に加え、伝統集落に住む人々に共通した独自の価値観によって、それぞれの住まいが彼らのアイデンティティとして育まれています。
本展では、そのことを伝える最適例として西アフリカのサバンナとインドネシアのスンダ諸島の住まいをご覧いただきます。

見どころ

@西アフリカのサバンナ/土の住まい
緑少なく乾燥したこの地域の住まいは、豊富に手に入る土を素材に、そこに住む人々が自らの手で作るために、素朴でぬくもりのある有機的なかたちをしています。主人と複数の女性が一緒に暮らす一夫多妻制で、家族構成の変化に応じて棟や小屋を増やす複合住居「コンパウンド」が一般的なスタイルです。
 
Aインドネシアのスンダ諸島/木の住まい
緑豊かで湿潤なインドネシアは1300余りの島々からなり、約300もの部族が住む多民族国家で、島ごとに全く異なる様式の住居が造られています。樹木に恵まれているため、素材は、木や竹、ヤシや茅が多く用いられます。高床の3層構造が基本で、それぞれの層が地下界、地上界、天上界を象徴しています。最大の特徴は、神や祖霊が宿る神聖な空間として「屋根」に個々の集落や部族の独創性が現れていることです。

【@・Aの主な展示】
●衛星画像を用いた西アフリカとインドネシアの巨大地図
それぞれの地域の風土の違いが一目瞭然で、集落の立地条件がリアルに感じられます。
●13点の住居模型
現地調査に参加したメンバーらによって制作されたアフリカの6部族とインドネシア7部族の計13部族の住居模型を解説付きで展示します。それらにはすべて内部が見える工夫が施され、ミニチュアならではの楽しさも味わえます。土の筒を基本形として内部が二層構造になっているアフリカ・タンベルマ族の住居(2004年世界遺産指定)もその内部構造をご覧いただけます。インドネシアの模型からは、切妻屋根のアチェ族、船形屋根のサダン・トラジャ族など高床の組み方、屋根の構造がよく分かります。
●図面資料・映像
集落調査後にスケッチされたアクソノメトリック図(立体図面)や平面図など貴重な図面資料が登場します。直筆ならではの味わいのある線描写で、それぞれの詳細が明らかになります。さらに、現地の調査映像もダイジェストでご覧いただき、現場の様子が伝わる臨場感溢れる空間をつくります。

B藤井明研究室の集落調査
藤井明研究室では、世界にみられるさまざまな伝統的集落や住居を対象とした調査を実施するにあたり、独自の方法を取り入れてきました。できるだけ多くの集落調査をするため、一ヶ所における観察時間はわずか数時間。各人が分散して集落内を巡り住民から住居の規模や歴史などを聞き取りながら、実測、撮影記録を行います。研究者ならではの目線で捉えられた建築計画学的手法による集落調査は、無駄がなく合理的に要素を見出し分析します。様々な住居から得た体感も研究者たちの貴重なデータとなっています。

【主な展示】
各自が記録してきたフィールドノートや、集落調査の様子がわかる写真など選りすぐりの資料を披露します。また、これまでの集落調査の全リストを世界地図と照らしあわせてご覧頂く予定です。

展示にあたり、東京大学生産技術研究所藤井研究室をはじめ関係の皆様には多大なるご協力を賜りました。この場をかりて厚くお礼申し上げます。



[企 画]
LIXILギャラリー企画委員会
[制 作]
株式会社LIXIL
[協 力]
東京大学生産技術研究所藤井研究室+藤井明先生東京大学退職記念会

BOOKLET
集落が育てる設計図
『集落が育てる設計図 -アフリカ・インドネシアの住まい-』

2012年12月刊行
本文94ページ
定価:1890円(税込)  LIXIL出版
会場風景
集落が育てる設計図集落が育てる設計図

集落が育てる設計図集落が育てる設計図

2012年 大阪会場写真





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