建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展



展覧会案内

糸あやつりの万華鏡−結城座 375年の人形芝居− 展<br>A Kaleidoscope on Strings 

糸あやつりの万華鏡−結城座 375年の人形芝居− 展
A Kaleidoscope on Strings 

A Kaleidoscope on Strings -375 Years of Edo Marionette Theatre YOUKIZA-


江戸時代(1635年)、初代結城孫三郎による旗揚げ以来、370余年続く伝統的な江戸糸あやつり人形劇団、結城座。
人形遣いが糸に触れた瞬間から、人形はモノから生きるものへと変化し、見る者を幻想的な世界へ誘います。古典から前衛まで、幅広い演目による伝統の継続と改革を可能にしてきた結城座の魅力を紐解きます。

プレスリリースpdf_icon_s.gif PDF 444KB ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

ギャラリー1(東京): 2009年12月3日(木)〜2010年2月20日(土) 休館日:日祝日、12/26−1/4
ギャラリー大阪: 2010年3月6日(土)〜5月20日(木) 休館日:水曜日、3/31−4/17 □10:00〜17:00 □入場無料


展示内容 展示品リスト BOOKLET
トーク&デモンストレーション 「結城座 見参!人形遣いの技と舞台の魅力」(ギャラリー1(東京))
トーク&デモンストレーション 「結城座 見参!人形遣いの技と舞台の魅力」(ギャラリー大阪)
トーク&デモンストレーション 「結城座 見参!人形遣いの技と舞台の魅力」(ギャラリー名古屋)
展示会概要
糸あやつりの万華鏡 -結城座 375年の人形芝居-
A Kaleidoscope on Strings -375 Years of Edo Marionette

写真:2005年「夢の浮橋 人形たちとの源氏物語」より。人形デザイン=山口小夜子。黒い糸ではなく、あえて白糸や頭部から伸びる糸一本だけに赤い糸を使用。これは血管を意味しているという。 撮影/倉持 壮

糸あやつりの万華鏡 -結城座 375年の人形芝居-
A Kaleidoscope on Strings -375 Years of Edo Marionette

写真:1992年「ペレアスとメリザンド」94年「テンペスト」より。人形の頭( かしら)。人形デザイン=串田和美。原作がメーテルリンク、シェークスピアという戯曲の古典に、斬新なデザインで新風を吹き込んだ。撮影/倉持 壮

糸あやつりの万華鏡 -結城座 375年の人形芝居-
A Kaleidoscope on Strings -375 Years of Edo Marionette

写真:左から、2000年「ユビュ王」(デザイン=結城美栄子)、1996年「アリス〜どんどんお家が遠くなる〜」(デザイン=飯野和好)、93年「リチャード三世」より(デザイン=林静一) 。様々な外部作家との共作により、多彩な人形たちが生まれた。 撮影/倉持 壮

糸あやつりの万華鏡 -結城座 375年の人形芝居-
A Kaleidoscope on Strings -375 Years of Edo Marionette

写真:結城孫三郎(ゆうき・まごさぶろう)1943年、十代目結城孫三郎の次男として生まれる。72年三代目両川船遊、93年十二代目結城孫三郎を襲名。2004年より入門塾を開校、若手の育成にも力を注ぐ。 撮影/倉持 壮


くぐつの糸、呼吸、ことばが
人形に魂を吹き込み、
変幻自在な世界をたぐりよせる


結城座は、徳川家光の治世、1635年(寛永12年)に、初代結城孫三郎が日本橋で旗揚げした江戸糸あやつり人形一座です。幕府公認の五座(歌舞伎三座の市村座・中村座・河原崎座、薩摩座、結城座)の一つでしたが、いまではその活動を存続する唯一の座となり、国や都の無形文化財にも指定されています。現在は十二代目結城孫三郎を座長とし、伝統を継承する古典から、シェークスピアなどの海外作品や時代性を帯びた新作まで幅広いレパートリーで芝居を繰り広げています。世界各国にあやつり人形はありますが、そのどれとも異なる独特の世界をつくり出す結城座の人形芝居。375年もの年月をかけて培われてきたその多彩な魅力を紹介します。

結城座があやつる平均的な人形の大きさはおよそ60センチ。20本近い糸でつながれた先には「手板」と呼ばれる操作板があります。人形遣いは片手に手板、もう片方の手で別の糸をもち、人形の様々な動作、繊細な表情を表現します。まるで物言わぬ人形に突然魂が宿ったかのような変化が人形全体に表れます。結城座は長い歴史の中で紆余曲折しながら時代を駆け抜けてきました。そして至ったのが、伝統を守り、伝統を打ち破るという姿勢でした。
変化は九代目結城孫三郎のころから起こります。まず江戸時代から伝わる「写し絵」(幻灯機による映写)を人形芝居に取り入れます。また義太夫節の代わりに人形遣いが台詞を語るようになり、さらには役者と人形が同じ舞台で共演する芝居も登場してきました。今では国内外の演出家、役者、人形作家などとのコラボレーションによって新たな作品を生み出しています。古典を基本に置きながらも、常に革新性をもった芝居つくりに取り組むことが、今の結城座の最大の魅力となっているのでしょう。

会場での圧巻は、観客を魅了してきた17体の人形とずらりと並ぶ約100の頭(かしら)です。結城座では人形、衣装、小道具など、芝居で登場する多くのものを自分たちでつくります。先の人形や頭は、古典もの以外の新作ものは、串田和美、山口小夜子など多彩なデザイナーや作家との共作です。それぞれの個性が存分に表れ、見ごたえ充分です。

また動きの仕組みを解説する男女の裸人形や手板も展示します。そのほか、人形衣装、「写し絵」のための幻灯機類、舞台模型、今までの演目のポスターやパンフレットなどもご覧いただきます。近作「破れ傘 長庵」や「乱歩・白昼夢」は、臨場感溢れる写真で紹介します。映像では十二代目結城孫三郎、初の女性人形遣い、結城千恵、また「乱歩・白昼夢」で参画した斉藤憐、宇野亜喜良、黒色すみれなど関係者のインタビュー、そして過去に上演された古典、創作ものをダイジェストでご覧いただきます。

舞台はライブで見ることに価値がありますが、この展覧会では、多岐に渡る演目から、結城座の舞台をつくり上げる要素の一つひとつをじっくりご覧いただけることでしょう。どうぞご期待ください。


[企 画]
INAXギャラリー企画委員会
[制 作]
株式会社INAX
[協 力]
江戸糸あやつり人形 結城座
BOOKLET
糸あやつりの万華鏡 -結城座 375年の人形芝居-
『糸あやつりの万華鏡 -結城座・375年の人形芝居-』

2009年12月刊行 本文72ページ 定価:1575円(税込)  INAX出版

ページの先頭へ

LIXIL Link to Good Living

Copyright © LIXIL Corporation. All rights reserved.