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LIXILギャラリー新企画「クリエイションの未来展」について
LIXILギャラリーは2014年9月より、新企画「クリエイションの未来展」を開催しています。日本の建築・美術界を牽引する4人のクリエイター、清水敏男氏(アートディレクター)、宮田亮平氏(金工作家)、隈研吾氏(建築家)、伊東豊雄氏(建築家)を監修者に迎え、それぞれ3ケ月ごとの会期で、独自のテーマで現在進行形の考えを具現化します。
世界的に活躍する建築家・隈研吾氏設計のモバイルミニシアターが、銀座に三ヶ月限定で開館!
映画作家・岡博大氏による隈氏らのドキュメンタリー映画を上映
「クリエイションの未来展」の第3回目となる今回は、建築家の隈研吾氏監修のもと、映画作家 岡博大氏による「岡博大展 −ぎんざ遊映坐 映智をよびつぐ−」を開催します。本展では、岡氏が4年半以上密着して撮影した隈氏のドキュメンタリー映画を中心に、隈氏設計のモバイルシアターにて上映します。モバイルシアターは竹素材で制作され、映像は隈氏の建築三昧の日常を記録したロードムービーに始まり、気仙大工棟梁の藤原出穂さんやアーティストたちへと繋がれていきます。各作品は約15分の短篇のループ上映となり、会期中順次、続編を公開していきます。
現在、隈氏が東北被災地で取り組む南三陸町の復興プロジェクトの映像などを通して、未来へよびつぐ創作の智恵を探ります。
「クリエイションの未来展」第3回の監修者、隈研吾氏について
隈研吾 kengo kuma
建築家 東京大学教授
1954年横浜市生まれ。東京大学建築学科大学院修了。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。現在、東京大学教授。1997年「森舞台/登米市伝統継承館」で日本建築学会賞受賞。その後「水/ガラス」(1995)、「石の美術館」(2000)「馬頭広重美術館」(2000)等の作品に対し、海外からの受賞も数多い。2010年「根津美術館」で毎日芸術賞。近作に「浅草文化観光センター」(2012)、「長岡シティホールプラザ アオーレ長岡」(2012)、「歌舞伎座」(2013)、「ブザンソン芸術文化センター」(2013)、「FRACマルセイユ」(2013)等。著書に、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』(岩波新書)、『小さな建築』(岩波書店)、『日本人はどう住まうべきか?』(養老孟司氏との共著、日経BP社)、『建築家、走る』(新潮社)、『僕の場所』(大和書房)など。
「GCプロソミュージアム・
リサーチセンター」 「アオーレ長岡」 「木橋ミュージアム」
監修者からのコメント
「旅する映画作家」
岡博大さんは、僕が慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で1年間だけ教えていた時の学生である。その時、建築史と美術史とを統合するという野心的なレクチャーを試みた。あまりに頭を使って疲れたので、1年間しかやらなかった。それまで岡さんは、ビジネスを志していたが、このときのレクチャーを聴いて、人生の方向を180度変えたそうである。その後、新聞記者になり、映画作家に転向した。
ここ数年彼と一緒に世界を旅している。彼はどこにでも付いて来て、気づくとカメラを持って、そこに立っている。僕の旅する日常にどんな価値があるかは、自分では分からない。しかし、岡さんはそこに価値を見つけてくれて、カメラを持って付いて来て、僕の旅をムービーにおさめている。
なにしろ膨大な量である。どんな形で日の目を見るかわからないが、ここで、モバイルシアターという場所を作って、その一部を紹介する。モバイルシアターは、ここを起点にして世界を旅していけばいいと考えている。旅しやすいように細い竹でできた球を積み上げるとシアターになるように仕組みを考えた。竹も岡さんも一直線で、しかも粘り強い。 (隈研吾)
作家からのコメント
「日常の映智」
3ケ月限定で「ぎんざ遊映坐」という名のミニシアターを開館する。
遊映坐とは「旅する映画館」の意味。どのような映画を、どのような場所で観るか。映画館は、観客の映画体験を大きく左右する。
会場では、隈先生とモバイルシアターを試作・展示し、映画を上映する。将来は、竹林の草庵のように、軽やかに旅するセルフビルド(組立式)のミニシアターに成長するといい。遊映坐という新たな映画空間の可能性も体感していただきたい。
オープニング作品として、隈先生の建築プロセスを記録したドキュメンタリー映画を公開する。建築三昧の日常を記録したロードムービーだ。
続いて、東北の伝統職人「気仙大工」棟梁の藤原出穂さんや、アーティストらに密着した作品も上映予定。ものづくりの過程に焦点を当て、時代を越えて受け継ぎたい、創作の智恵や復興の智恵を探る。
会期中、各作品とも制作を続ける。映画の制作プロセス自体も作品として公開するドキュメンタリー・イン・プログレスの手法を取る。各作品は短篇からなり、会場で順次、続編を公開していく。
小津安二郎監督ゆかりの北鎌倉の禅寺で、毎年小さな映画祭を主催させていただいている。ぼくの心の師でもある小津先生は、このような言葉を遺されている。「永遠に通じるものこそ常に新しい」「ありふれた材料でもっといいものが作れる」。いつまでも古びず、時代と国境を越えて人々の心に響き続ける小津映画。一見すると取るに足らない、無価値とも思える日常茶飯事の中に、ひっそりと奇跡や宝物が佇む。月並みで小さな映画を一本一本よびつぎ、連ねていくことで、後世へと継承すべき日常の叡智を描けないだろうか。 (岡博大)
展示作品
モバイルシアターパース 素材:竹 設計:隈研吾建築都市設計事務所
<上映作品>
現在下記の作品を上映中。順次新作を上映予定
「建築家・隈研吾 特報予告篇」 上映時間:5:00分
「建築家・隈研吾 南三陸篇 −発句−」 上映時間:17:00分
「建築家・隈研吾 葉山篇」 上映時間 15:45分
「音楽家・三宅純 ヴッパタール ピナ・バウシュ トリビュート コンサート篇」 上映時間 21:00分
「気仙大工」 上映時間:29:51分
「ありがとう」 上映時間:04:52分
<過去に上映した作品>
「建築家・隈研吾 映智篇1」 上映時間:20:05分
「建築家・隈研吾 映智篇2 建築教育」 上映時間:16:07分
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