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「日本人の死生観と葬儀」

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 死んだ仲間の遺体を埋葬する行為は、他の動物には見られない、人間だけが持つ文化的な行いである。では、なぜ人間だけが、手厚く、葬式という儀式まで執り行って遺体を埋葬するのか。
 この問題は、「死後の世界」を私達がどのようなものとして考えているかということが大きく関わってくる。つまり宗教とは切り離せない問題であることを意味する。

 寿命が80年程にまで延びている現代では、50〜70年だった時代とは、人生そのものの捉え方、生き方、死に方に対する考え方は全く異なってくる。生活スタイルや習慣が大きく変化した時代に鑑みれば、理由は様々でも葬式や墓を不要とする傾向が生まれるのも当然のことだろう。

 「葬式は、要らない」、「0葬−あっさり死ぬ」などセンセーショナルな題名の書籍で物議を醸した宗教学者である著者が、神道や仏教を基本とした生死観を持つ日本人の考え方を歴史的に紐解き、易しく解説してくれる。終活という言葉も聞かれる今の時代、生きることを考えるためには逃れられない「死」を見つめるために、参考にしたい書籍である。


日本人の死生観と葬儀/島田裕巳著/216ページ/海竜社/\1,200+税

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