INAXライブミュージアム 土・どろんこ館

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一緒に土を楽しもう! ワークショップ ご案内とご報告

土の魅力を楽しみたい人 集まれ!!
いろんな仲間たちと、時や場所を共にしながら土に触れ、ここちよい汗を流しませんか。

採りました、作りました。『自分でつくろう!土壌モノリス』ご報告

9月28日。少し肌寒い曇り空の下、「自分でつくろう!土壌モノリス」のワークショップを開催しました。
朝早くから集まった参加者は16人。陶芸作家、土壌学を学んでいる人、粘土会社経営者、建築関係の仕事をされている人など、普段から土を身近に感じている方の参加が多かったです。
バスに乗り、土壌採取地へ。今回採取した土壌は常滑市の丘陵部にあり、今から530万〜300万年前の新第三紀鮮新世に堆積した、粘土や砂、礫(れき)が交互に層を成している常滑層群が母材となっています。




講師の大倉利明さんの説明を聞いた後、皆で手分けして作業に取り掛かりました。
今回採取したのは、地表面から約1メートル、幅1.8メートルの土壌を2.5シート分。
土壌断面の表面の凹凸を平にならし、大きな根を切るなどの処理を事前にしておきます。




土壌断面に霧吹きで水を吹き付け、水に反応するポリウレタン系の樹脂をまんべんなく塗ります。




樹脂を塗った上から寒冷紗を押さえるようにして張り付け、カーペットピンで留めます。



寒冷紗の上からポリウレタン樹脂を再度塗り、一時間ほど乾かします。




乾くまで、採取する土壌の調査を行いました。 皆、熱心に大倉さんの説明を聞き、土壌断面調査表に書き込んでいきます。




この土壌の母材は砂で、砂50%、粘土10%、シルト40%の割合と思われます。
200万年より古い時代に洪水で積もった「洪積台地」で、土壌断面に見える鉄分の縞模様は、過去に地下水位が上下した記録です。
標準土色帖に照らし合わせると、この土壌は表土が「暗灰黄色」、下層土が「オリーブ褐色」の赤黄色土です。



さて、いよいよ土壌モノリスの採取です。
地表面からスコップで、数センチの厚みをつくりながらはぎ取っていきます。
下では、少しずつ引きはがしながら土壌を受けます。竹の根はのこぎりや剪定ばさみで切り落とします。

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受け手は、めくれた土の重みをずっしりと感じながら、必死に抱えます。
採取した土壌は、カーペットを畳むよう丸めて持ち帰ります。





午後は、作業会場をものづくり工房に移し、モノリス製作です。
剪定ばさみを使って、採ってきた土壌を人数分に切り分けます。



板にポリウレタン樹脂を塗り霧吹きで水を拭きつけ、土壌を張り付けます。




土壌モノリスは本来、地表面から採取した土壌の標本ですが、土の模様が濃く綺麗に出ている部分を板の中心に配置して、上下を切り落とそうとする人も居ました。
張り付けた上から重しのれんがを置き、しばらく置いて接着させます。



採取の際に上手く土がはがれず穴が開いてしまった部分に接着剤を塗り、同じ色味の土を乗せて表面を補修していきます。 採取した自然な状態のままが気に入った人、表面のお化粧直しに余念の無い人・・・思い思いに土と対話していました。



余分な土を刷毛で払い、水で溶いた木工ボンドを霧吹きで表面に吹き付けます。
乾かしては吹きつけを数回繰り返し、耐久性のある表面に仕上げます。



木工ボンドを乾かしている間、開催中の『モノリス・真下の宇宙』展の説明を、大倉さんにしていただきました。



完成したモノリスと一緒に記念撮影。参加者の皆さん、お疲れ様でした!


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