INAXライブミュージアム 土・どろんこ館

INAXライブミュージアム 土・どろんこ館

展覧会のご案内(1階 企画展示室)

土・泥・やきものと、人々の生活・文化に関する企画展を開催しています。

染付古便器の粋
―清らかさの考察
Blue-and-White Pottery Toilets of Olden Times―Through Beauty, a Spirit of Purity


会期:2007年11月23日(金・祝)〜2008年5月20日(火) ※終了しています

便器に描かれた、自然の情景。
「青と白」の装飾が、もてなしの空間をつくり出す。
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会 期 2007年11月23日(金・祝)〜2008年5月20日(火)
時 間 10:00am 〜 6:00pm(入場は5:30pmまで)

休館日 第3水曜日(祝日の場合は翌日)、12月27日(木)―2008年1月4日(金)
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企 画     INAXライブミュージアム企画委員会
制 作     株式会社INAX
協 力     千羽他何之、瀬戸蔵ミュージアム、
        愛知県陶磁資料館、佐賀県立九州陶磁文化館、
       芹沢長介記念東北陶磁文化館

展示デザイン 西本剛己(ARTLAB+)

*西本 剛己(にしもと たけみ) 略歴*
美術家/デザイナー、ARTLAB+(アートラボプラス)代表
明星大学造形芸術学部准教授
2005年「愛・地球博」瀬戸日本館代表作家



【講演会第2弾】

講 師

荒川正明(出光美術館主任学芸員)

演 目

染付磁器の魅力 −景徳鎮から伊万里、そして瀬戸へ

日 程

4月26日(土)

時 間

4:00pm〜5:30pm

会 場

「土・どろんこ館」多目的ホール

定 員

50人、当日15:30より先着順

  *

聴講無料(ただし、入館券が必要です)

交流会

講演会終了後、「世界のタイル博物館」エントランスホールにて交流会を開催いたします。


【記念講演会】※終了しています

講 師

鶴岡真弓(多摩美術大学芸術学科教授、同芸術人類学研究所員)

演 目

装飾する魂―染付古便器の文様

日 程

11月23日(金・祝)

時 間

4:00pm〜5:30pm

会 場

「土・どろんこ館」多目的ホール

定 員

50人、当日先着順

  *

聴講無料(ただし、入館券が必要です)


【オープニング パーティー】>※終了しています

日 程

11月23日(金・祝)

時 間

講演会終了後より

会 場

「世界のタイル博物館」エントランス ホールにて



展示風景

人目をはばかる空間だった便所を、「青と白」で華やかに飾った染付古便器(そめつけこべんき)。それらは、濃尾(のうび)大震災(明治24年〈1891〉/愛知県と岐阜県で起きた直下型地震)直後に突如として現れ、明治時代に人びとの心を捉えて一世を風靡します。
なぜ便器が、これほどまで美しく装飾されたのでしょうか。


展示風景


江戸時代末期、当時一般的だった木製便器の形状を模して、陶器製の便器が瀬戸(愛知県)でつくられ始めました。当初はわずかな生産量でしたが、濃尾大震災直後から大量につくられるようになります。このとき、陶器の素地(きじ)を白化粧(白い泥で覆う)したのちに、青に発色する呉須(コバルト)で花鳥や草木などの模様が描かれた、いわゆる「染付」の便器が売り出されました。これらは富裕層や旅館、料亭などで、主として客用に使われ始めます。


展示風景


また、磁器製の便器の生産も、瀬戸で始まります。美術品と見まがうほど華麗な文様が、内側にも外側にも施されていました。なかには、特別注文による作者の銘が入った、いわゆる“ブランドもの”もあり、非常に高価であったと思われます。


展示風景 展示風景


染付による陶器製便器はもっぱら装飾性が高められていきましたが、磁器製便器は、明治30年代後半に、青磁釉(せいじゆう)一色のものに変わっていきます。



展示風景

さらに大正時代に入り、人びとの衛生観念が向上すると、都市部では吸水性のない磁器製便器の人気が高まりました。一方では、明治45年(1912)頃より、吸水性の少ない良質の陶器製染付便器が平清水(山形県)でつくられはじめ、主に大正時代、東北地方を中心に出回ります。


展示風景

本展覧会では、「褻(け)」の場を「晴(はれ)」の場へと転化させるような、美しく華やかな染付古便器の逸品を、関連する道具類とともに展示します。視覚的にも清らかな空間としてしつらえた当時の人びとの粋さ、客人へのもてなしの心を探ります。


【古便器など情報提供のお願い】


INAXライブミュージアムでは、非水洗の陶磁器製便器や厠下駄など、トイレに関わる資料について調査研究および収集を行っています。当時の資料をお持ちでしたら、ぜひご一報ください。 ⇒詳細はこちら
問い合わせ先:INAXライブミュージアム (0569)34-8282


【関連書籍のご案内】

新刊 INAXミュージアムブック『染付古便器の粋―清らかさの考察』


冊子表紙

濃尾大地震(明治24年〈1891〉)直後、突如現れた染付古便器が、なぜ人びとの心を捉え一世を風靡し、消えていったのでしょうか。なぜ「青と白」による装飾―染付だったのでしょうか。江戸の習俗、やきもの史、文様学、さらには染織などさまざまな視点から、その理由を解いていきます。
また、INAXが収蔵する染付古便器の代表作を紹介しながら、その歴史および体系的な分類を試みました。
INAXライブミュージアムの企画展『染付古便器の粋』にあわせて制作。染付古便器の魅力を満載した、決定版にふさわしい一冊です。

図版構成】(本文64ページ、オールカラー、価格:1,500円+(税)
染付古便器の基礎知識
染付古便器のある風景
藍と白の魔力について(吉岡幸雄)
江戸の粋、染付の粋―染付古便器の源流(対談:小澤 弘&荒川正明)
あっぱれ!ブランド便器―加藤紋右衛門(服部文孝)
便器まで装飾する魂―近代日本を鼓舞した染付の美と力(鶴岡真弓)
染付古便器に咲いた花(武藤忠司)
日本一の便器コレクション―なぜかくも集まったのか(千羽他何之)
INAXライブミュージアム蔵 染付古便器コレクション〔千羽他何之コレクション&INAX収集品〕 染付古便器の歴史(服部文孝)




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